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各地で行われた制作者フォーラムの模様を、参加者の声を交えて伝えます。

2017年12月8日

もっと  制作者フォーラムinふくしま

レポート+寄稿

 2017年10月27日(金)、福島市こむこむ わいわいホールで、北日本制作者フォーラム実行委員会と放送文化基金が主催する「北日本制作者フォーラムinふくしま」が開催されました。
 フォーラムには、東北6県と北海道にある全民放テレビ局とNHK、計40の放送局が協力し、制作者を中心に、約50名が参加しました。
 初めに行われたミニ番組コンテストには、エントリーされた73作品の中から予選を通過した番組19作品が上映され、審査員の開沼博さん(社会学者・立命館大学衣笠総合研究機構准教授)、熊坂仁美さん(「メディアロケット」編集長)、各地区代表幹事7名の審査により、最優秀賞1本、優秀賞2本、特別賞2本が選ばれました。
 引き続き行われたトークイベントでは、3人のプレゼンターが登場。原発事故後の福島の現状をデータ分析し世の中に問いかけている社会学者の開沼博さんは、<福島の「何が分からないかが分からない」を「そういうことか」に>というテーマで講演。ウェブやSNSなどを活用して福島からの情報発信をしている熊坂仁美さんは、<ウェブとSNSを使ったローカルメディアの可能性>について語りました。NHKでチーフ・プロデューサーとして『ドキュメント72時間』を制作している植松秀樹さんは、番組の舞台裏について、「取材がうまくいかなかったとしてもその部分を見せるようにしている、それが視聴者にリアル感を与え興味を持ってもらえる」と話しました。

 ミニ番組コンテストでグランプリを受賞した坂本佳子さん(青森朝日放送)、実行委員の石田浩光さん(NHK福島放送局)に、フォーラムの感想をお寄せいただきました。

グランプリ受賞
「ローカル力」
坂本 佳子(青森朝日放送報道制作部 アナウンサー)

 夕方ニュース内のシリーズ企画「teshigoto」。3年連続でエントリーし、2年前は優秀賞。去年は受賞ならず。そして、今回ようやく大賞に手が届きました。
 毎年、懇親会では必ず「いい意味でローカルらしくない企画」と評価をいただいていました。しかし、私の本職はアナウンサー。この企画は、撮影したカメラマンが編集も担当します。1人2役、3役と兼務する、いかにもローカルらしいやり方で制作しています。これがなぜ評価されたのか。
 横の繋がり、でしょう。企画に関わる少数のスタッフが、映像・音・テロップと、専門分野以外にも横断的に意見を出し合い、構成を練り上げていきます。知恵を結集し、「広く浅く」が、「広く深く」なるように。
 これからも、ローカルの力を余すことなく発揮し、スタッフと共に心を動かす番組作りを目指して参ります。

実行委員
「まだまだ、あります。スゴイ作品。」
石田 浩光(NHK福島放送局 放送部長)

 「北日本制作者フォーラムinふくしま」は、皆さまのご協力のおかげで、無事終了することができました。有難うございました。 ミニ番組コンテストには、東北・北海道にある30の放送局から73本の作品をエントリーしていただきました。当日は、各地区の予選を通過した19本を上映。どの作品もそれぞれに見応えがあり、大いに刺激を受けました。 しかし、地区予選を突破できなかった作品の中にも秀逸の作品がたくさんありました。例えば、福島からエントリーされた「秘湯でヒットソング」は、スゴイ企画です。演歌歌手が鄙びた温泉で(入浴中の人がいる)往年のヒットソングを歌う歌謡ショーです。しばらく、頭から離れないほどの衝(笑)撃でした。こうした振り切れた作品も上映できるように、幹事の独断による“特別推薦枠”を用意しておけば良かったと後悔しています。反省点はまだまだありますので、次回に引き継ぎたいと思っています。来年も盛大な会になることを願っています。