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アフガニスタン国営放送局(RTA)支援を終えて
教育番組研修リーダー(NHK−OB) 鈴木 勇

 私のまぶたにはアフガニスタンの青い空、4,000mを超える山々、標高1,500mの高地にある首都カブールの町並みが焼きついている。
2003年11月から2006年9月までの間に9回、アフガニスタンRTA国営放送局で放送番組制作の研修を実施した。9回の研修での参加者数は延べ111人。1年に3回、1回の研修は2週間を目処とするものだったが、アフガニスタンの諸情勢により、足掛け4年の研修となった。
 アフガニスタン国営放送は、長年の内戦とテレビ放送を許さなかったタリバン政権の政策によって大きな打撃を受けていた。戦後放送を再開したものの、局の3分の2が新規採用の職員ばかりで、テレビ番組制作の初歩的な知識さえないという状況だった。
そんな折から、2002年10月に東京で開かれたABU(アジア太平洋放送連合)総会で、RTA会長からディレクター養成の支援要請がなされたのを契機に、放送文化基金の支援を受けて、ABUの全面的な協力によって、3年計画の番組制作者養成プロジェクトを立ち上げることになった。
 私は2003年1月23日、ABU番組局長であった江口三朗さんから、指導者として協力して欲しい旨のメールを頂いた。当時、私は70歳になっていたが、体も健康であるし、何よりも、NHK現役時代よりJICAから派遣され、インドネシアなど、数か国の放送機関で番組制作指導をしてきた今までの経験も十分生かすこともできると考え、家族とも相談して引き受ける事にした。ボランティアとして意味のある仕事だとの思いもあった。
 2003年11月、イラク戦争の影響で、当初の予定より半年ほど遅れてアフガニスタンの首都カブールに着いた。RTAに出勤、最初受けた注意事項は、「一人歩きはしないこと。RTA局内、カブール市内の軍関係地域などの撮影はしないこと。」 違反すると射殺もありうるとのこと。実際に、RTAの職員と、スタジオのある別棟の建物に入ろうとすると、警護の兵隊に阻止された。付き添いのRTA職員は、日本から来た研修の先生だと説明するのだが、一切聞き入れてもらえない。結局、事務局舎に戻り、RTA会長直々の抗議文書を提出したところ、ほどなく軍司令官より「この者、RTAの如何なる所でも出入り自由」の文書が届けられた。こうして研修は開始された。
2006年11月掲載
▼第1回から第9回までの報告を3回にわたり掲載します。
<研修報告メニュー> (全9回)

ミニコラム「アフガニスタンのひととき」(全3話)
★ミニコラム「アフガニスタンのひととき」
第1話「ウィンナーソーセージ」
第2話「写真屋大繁盛?! 」
第3話「先祖は同じ」

平成14年度〜平成16年度助成「若手女性プロデューサー対象OJT研修(RTAの若年・子供むけ番組制作)」に関する報告です。