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アフガニスタン国営放送局(RTA)支援を終えて
第2回研修 2004年4月6.日〜4月20日
「民話の番組をつくる」
第1回研修から5か月後、再びアフガニスタンの地を訪れた。
研修は、ラジオグループとテレビグループA班・B班で行った。ラジオ番組制作のグループはベテランの人たちでどんどん自分たちで計画を立て番組制作を進めているが、問題はテレビグループである。3日目に、ロケしてきたビデオを班ごとに試写し、編集台本を作るよう課題を出したのだが、結果を見て愕然とした。テーマの設定もなく、出たとこ勝負のロケに出かけ、画を撮っただけで、何を語ろうとしているのか分からない。
ただ、研修に取り組む気力は十分ある。私は、彼らの番組制作の力は初歩の段階と推測し、まずは、放送の基本的な役割であり、使命である「伝える」ということから教えることにした。
サンプルとして選んだのは、アフガニスタンの民話である。「正しく伝える。」「分かりやすく伝える」にはどうしたらいいかを考えるため、民話の伝承の方法を分析した。そして実際に、15分以内の民話の番組制作を課題とし、研修最終日の完成試写を目標に、ロケ、台本制作、編集作業とスケジュールを立てていった。
ところが、ロケの初日、局に帰って試写をしてみると、音がよく取れていない、話の筋が通らない、など問題点が多く出てきた。議論が熱を帯び、青筋を立てて熱弁を振るう。やっと本気で研修に取り組む姿勢が見え、私も指導に力が入る。結局、ABチームとも次の日に取り直しを行った。研修生メンバーには女性の姿もある。保育園の幼児を芝生の庭に集め、ロケを開始した。太陽の光、カメラ位置、被写体との距離、などを指導、撮影を進める。話し手と子どもの位置、子どものリアクション、などを克明に捉えようと必死である。研修生自身、子どもの時から民話に慣れ親しんできたこともあり、ストーリー展開、クライマックスを知り尽くしている。ロケに熱が入り、決められた時間を2時間も越え、昼食もとらずに撮影していた。アフガニスタン女性の底力はすごい。
今回の題材を民話にしたことは、とても効果的であった。民話は、起承転結がはっきりしていて、番組構成と合い通じるところがある。研修生が民話を忠実に表現しようとすれば、起承転結に合った番組をつくれる事になる。それには語り手の話をしっかり録画し、聞き手の子どもたちの受け答えを挟んでいかなければならない。ここで、DVカメラ1台でそれが可能か、という頭の痛い問題が出てきた。研修生たちもそれに気づき、カメラ同士での編集では限界があり、画かぶせ、音入れは難しく、編集機が必要だと主張する。次回への宿題である。
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