今回、RTAに着くと、組織が変わっており、子ども番組部は新しく明るい部屋に移り、部屋にはコンピュータが4台新設されていて、見違えるようであった。部員に聞くと、仕事はやり易くなり、楽しく過ごせると好評であった。隣の部屋にコンピュータ・アニメ制作器機が設置されており、アニメを制作している。大きな成長を感じた。
2003年11月に第1回の研修が15人の研修生により開始されてから3年。この間、研修に参加された方は、延べ111人である。3年の間に世界の状況もいろいろ変化してきたが、変わることのないRTAの皆さんの暖かいご支援、ご協力に支えられ、最終回を迎えることが出来た。9回の研修を1〜3回、4〜6回、7〜9回までの3段階に分けて総括してみたい。
第1段階では、教える側も研修生も戸惑いの連続であったが、全てが新鮮で、精一杯頑張った。NHKエデュケーショナルからのカメラ4台、音声録音機器4台の提供は、この研修に素晴らしい力を与えてくれた。カメラなどの器機の扱いに慣れるにつれ、研修の成果は目に見えてきた。カメラを扱う楽しさを自ら経験してもらうため、研修生に一昼夜カメラを貸し出して、「子ども」をテーマに自分の発想で撮影してもらった。6人の研修生が名乗りをあげ、撮影に臨んだ。この時撮られた映像は素晴らしいものだった。自分の子どもを撮る、孫を撮る、本当に愛情のこもった映像だった。
第2段階は、研修のやり方を講義からOJT 方式に変えたため、いきなり大海に投げ込まれた感じで初めは混乱もあった。だが、徐々に個人的に親しくなる人も増え、指導の効果も上がった。
第3段階は、この研修の大きな目標であった、ABU子ども番組セミナーへの参加番組の制作が中心となった。番組をなんとか仕上げ、マレーシアへ向かったのはマローフPD。私も後から合流したが、セミナーには多くの国から制作者が集まり、盛大であった。各国とも素晴らしい作品が提出され、論議が華やかであった。マローフPDの作品には各国PDたちからの視線が集まり、作風が新しいと好評であった。次回のセミナーには、各国からアフガン方式的な「子どもの遊び」「子どもの行事」などの番組参加が期待できそうである。
今回の研修では来年のセミナーに向け、参加番組制作の指導を行って最終回とした。
以上の3段階を通して、感性豊かなRTAの皆さんの協力を頂き、多大の成果を得ることができた。RTA会長をはじめ、RTA局員の暖かい支援に感謝し、報告を終えたい。 |