第52回

放送文化部門

受賞者

アイヌ差別取材班(北海道放送)

業績

10年にわたるアイヌ民族への差別・ヘイト問題の放送活動と行政を動かした実績

業績内容

アイヌ文化への関心が高まる一方で「アイヌはもういない」などとする差別が広がっている。札幌市では先住民族であることを否定するようなパネル展が公共施設で行われ、アイヌや研究者、市民が差別的だと批判している。北海道放送は10年前からアイヌへの差別問題を継続取材し、全国放送やドキュメンタリー番組も多く制作した。展示を許可した札幌市に対して見解を問いただし、市が問題を議論する第三者機関設置への動きになった。

選考理由

北海道放送お膝元でのアイヌ差別問題。10年にわたり粘り強く取材し、様々な番組でくり返し放送。今、差別問題は、ネット上の誹謗中傷など、放送するにはリスクが高く、尻込みする局も多い中、北海道放送は怯まず取材を続け、これを「伝えないことが放送の価値を落とす」と覚悟、信念をみせる。差別的展示を許す札幌市の責任を追及し、市独自のガイドライン作成へと動かす。行政責任を追及し、現実的解決への道を開く。「今の時代のジャーナリズムの原点」を示す。

受賞のことば

不条理に苦しむ当事者が声をあげなければ現実が変わらない社会は歪んでいる。とりわけ差別問題は、差別される側に問題があるのではなく、差別する側に問題がある。差別を解消するのは差別する側=マジョリティーの責任であり、だからこそメディアの役割は大きい。無関心は容認であり、沈黙は加担である。常々そう思ってきた。荒野をひとり歩くような思いをすることもあるが、今回の受賞が、差別問題に対するメディアの役割を認識してもらうきっかけになり、現場に足を運ぶ記者が一人でも増えることにつながることを願ってやまない。
山﨑裕侍

スタッフ

山﨑裕侍、石栗教行、中原達也、磯貝拓、馬場佑里香

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