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海外11か国で愛される「格付けしあう女たち」|『はい!テレビ朝日です』

桧山珠美 ▶▶▶『日日是てれび日和』 気になる番組を読み解く週一コラム 

【第57回】 『はい!テレビ朝日です』(テレビ朝日 2026年9月13日5時00分~)

毎週日曜は、早朝に放送されるテレビ局による広報・自己検証の番組を楽しみにしている。5時からの『はい!テレビ朝日です』、5時55分からの『日テレアップDate!』。第2・第4週には、5時40分から『TBSレビュー』も加わる。放送時間が重なるため、仕方がないので、録画しておいたものを後から見ることになる。

まあ、そんな酔狂な視聴者は、そう多くないだろう。それにしても、なぜこうも日曜の早朝に集中しているのだろう。局の取り組みや制作者たちの話など、普段の放送のなかではなかなか見えてこないテレビの内側を知ることができる貴重な番組なのに。

こういう番組こそ、もっと多く視聴者の目に届く時間帯に放送すればいいのに、といつも思う。

今回の『はい!テレビ朝日です』のテーマは、「国際ビジネス開発部の仕事」だった。稲葉真希子・国際ビジネス開発部部長、依田摂子・同部の2人をゲストに、テレビ朝日が自局の番組をどのように世界へ送り出しているのかをわかりやすく紹介していた。

なんといっても驚いたのは、日本の放送コンテンツの海外輸出額が1,000億円を突破しているということ。日本のアニメが世界で人気を集めていることは知っていたが、ドラマやバラエティまで、これほど海外に出ているとは知らなかった。

なかでも興味深かったのが、「フォーマットリメイク」だ。番組をそのまま販売するのではなく、番組のコンセプトやルール、進行の手順など全体の枠組みや設計図を売る。それをもとに、それぞれの国が独自に番組を制作するものだ。

番組で、テレビ朝日で最もフォーマットとして売れていると紹介されていたのが、『ロンドンハーツ』の人気コーナー「格付けしあう女たち」。なんと、このフォーマットは11か国でローカル版が制作されているという。オランダでは2006年に放送が始まり、今年で20周年を迎えたそうだ。

ちなみに「格付けしあう女たち」とは、女性タレント10人が集まり、「付き合ったら面倒くさそうな女」「友達になりたくない女」などのテーマに沿って互いをランキング。そこから、相手への本音や、その人の本性が垣間見えるという企画で、「男たち」バージョンもある。

本家『ロンドンハーツ』は1時間番組から30分番組になり、たまに放送される「格付け」シリーズも、前後2週にわたって放送されるなど、なんとなく憂き目に遭っている印象だが、それなのに、オランダではそんなにも人気なのかと、びっくりした。

さらに面白かったのが、「同じフォーマットでも、国によって違う色合いの番組になる」という話。

考えてみれば当然といえば当然のこと。文化も違えば人も違う。出演者も違えば、人間関係の捉え方も笑いのツボも違うのだから。日本で生まれた企画が、その土地のテレビに合わせて姿を変えていく。そこに、フォーマットリメイクの面白さがある。

日本発の「格付けしあう女たち」は、世界各国でどんな番組になっているのだろう。MCはやっぱり田村淳に寄せた人なのか。セットは日本版を踏襲しているのか。そもそも「格付けする」という企画は、どんなふうに受け止められているのか。

考え始めると、あれこれ気になってくる。

せっかく11か国でローカル版が作られているのだったら、その違いを見せる番組があってもいいのでは。日本版と海外版を並べて、同じところ、変わったところを見比べる。現地制作者に訊いてみるのもいいかもしれない。

日本で生まれた番組が海を渡って、世界の人たちを楽しませているということを知り、ワクワクしてきた。それも「国際ビジネス開発部の仕事」があればこそ。当たり前のことだが、テレビ局の仕事は番組を制作するだけではない。そうしたテレビの仕事を知ることができたのは収穫だった。

テレビの知られざる一面を教えてくれた『はい!テレビ朝日です』は、貴重な番組だ。だからこそ、こういう番組がもっと多くの人に届く時間に放送されればいいのに、と、また思ってしまう。

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プロフィール

桧山珠美

桧山珠美(ひやまたまみ)
HBF MAGAZINEでは、気になるテレビ番組を独自の視点で読み解く連載『日日是てれび日和』を執筆中。
編集プロダクション、出版社勤務を経て、フリーライターに。
新聞、週刊誌、WEBなどにテレビコラムを執筆。
日刊ゲンダイ「桧山珠美 あれもこれも言わせて」、読売新聞夕刊「エンタ月評」など。


“HBF CROSS”は、メディアに関わる人も、支える人も、楽しむ人も訪れる場所。放送や配信の現場、制作者のまなざし、未来のメディア文化へのヒントまで──コラム、インタビュー、レポートを通じて、さまざまな視点からメディアの「今」と「これから」に向き合います。

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