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「MBTIってなに?」の男性必見。|『ダイアン津田のボクらは女心がわからない』

桧山珠美 ▶▶▶『日日是てれび日和』 気になる番組を読み解く週一コラム 

【第56回】『ダイアン津田のボクらは女心がわからない』津田VSギャル女医JKキャバ嬢がガチ討論(日テレ 2026年9月5日0時35分〜)

男は女心がわからない。だから、女に教えてもらおう。
『ダイアン津田のボクらは女心がわからない』は、「女心がわからないオトコたちが、理解できない女性の言動を女性陣にぶつけ、女心を学んでいく」番組だ。

考えてみれば、この手の番組はいつだって女性が優位。男はあくまでも教えを乞う立場で、女たちがごきげんに暮らせるよう、日々努力しなければならない。「女だって男心がわかっていない」などと反論しようものなら、大変なことになる。男女問題に限っては、「裏もまた真なり」は決して成立しないのだ。

そんなことを思いつつ見ていたら、なんだか懐かしい気持ちになった。昔もこれと似たような番組があったなあと。

そう。明石家さんまの『恋のから騒ぎ』だ。

最前列にはきれいどころを並べ、後ろは面白系や不思議ちゃん系、個性豊かな女たちが、さんまを相手に恋愛トークを繰り広げるバラエティ番組だった。そこから西川史子、柴田倫世、小林麻耶・麻央姉妹、塩村文夏ら有名人も輩出。平成を代表する番組の1つといってもいいだろう。

その系譜はいまも『上田と女が吠える夜』や『トークィーンズ』に受け継がれている。

ただ、この番組はそれらとは少し趣が異なる。女たちが本音を語るのではなく、女心がわからない男たちが、「なぜ?」「どうして?」と女たちに訊く。つまり、男が女を理解するための授業でもあるから。

教えを乞う男たちは3人。津田、相席スタート山添、ロングコートダディ兎といかにも女心がわからなそうなこの人選もいい。

口火を切ったのは津田だ。「MBTI、最近、やたらあれ聞いてこない? あれもうマジで意味がわからん」と訴える。
飲み会で、女の子にMBTIを訊かれ、知らないというと、すぐできるからと携帯でやるように促される。診断を始めたら10分くらいかかり、しかも選ぶ項目も多い。「やってる間にもう違う話題に行ってんねん」とぼやく津田。

この間、画面下には「16タイプ性格診断(※出演者が言ってるMBTIとは16タイプ性格診断のことです。)人の性格や考え方の傾向を16タイプに分類する性格診断」のテロップが出る。MBTIを知らない視聴者へ向けてのサービスだろう。

そこで、「女心、お尋ねください」と書かれたベルを鳴らすと、スタジオ全体が明るくなり、女性たちが現れるという趣向だ。

ここからが、番組の本領。

「各業界で生きるオンナたち」のひとり、きほ(キャバクラ嬢)は、「つくお客さんのMBTIを気にして接客の参考にする」という。彼女のプロフィールには「月間最高売上2億円」とあったが、それもMBTIのおかげということなのか……。さらに、ラッパーの#KTCHANは「週1回、自分の性格が変わってないかチェックする」といい、相手のMBTIで喧嘩したときの仲直り法まで調べるという。そんな話に、「調べる時間あったら、謝れよ」という津田のツッコミがツボだった。まったくその通りだ。

たしかに女性誌などで、「MBTI」の文字を見かけることはあったが、たいして気にも留めなかったし、そもそも「MBTI」を訊かれるようなこともなかったので、気にも留めなかったが、世の中、そんなことになっているのか、と驚いた。どうぶつ占いで終わっていた自分を反省した。

これはすぐにでも、MBTIを調べて活用せねば、と思ったら、現役女子高生の小林ゆあが「もう流行っていない」と断言。「おニャン子クラブ」の時代から、JK(女子高生)はいつだって正義。心なしか、周りのおねえさま方もおとなしくなったような………。

ほかにも、「喧嘩したら男が謝るまで寝かせないオンナ」や「露出多めの服を着ているのに、見られたら怒るオンナ」の女心について、議論された。

なるほど女心はなかなか奥が深い。
女心がわからない男だけでなく、女心がわからない女にもタメになる。そこがこの番組の面白いところだ。

恋愛リアリティショーのような「恋の駆け引き」を見るのは好きではないが、女心の「なんで?」について、さまざまな意見が聞けるのが面白い。

多様性の時代、「男だからこう」とか「女だからこう」とひとくくりにすることには慎重にならなければいけない。だからといって、「わかったつもり」で波風立てずに無難に付き合うというのもなんだか違う。まずは、「わからないことをわかること」、真にわかり合うために、教えを乞うのは大事なことだ。

11日には第2弾も放送される。次はどんな「わからない」が飛び出すか。こちらも楽しみだ。

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プロフィール

桧山珠美

桧山珠美(ひやまたまみ)
HBF MAGAZINEでは、気になるテレビ番組を独自の視点で読み解く連載『日日是てれび日和』を執筆中。
編集プロダクション、出版社勤務を経て、フリーライターに。
新聞、週刊誌、WEBなどにテレビコラムを執筆。
日刊ゲンダイ「桧山珠美 あれもこれも言わせて」、読売新聞夕刊「エンタ月評」など。


“HBF CROSS”は、メディアに関わる人も、支える人も、楽しむ人も訪れる場所。放送や配信の現場、制作者のまなざし、未来のメディア文化へのヒントまで──コラム、インタビュー、レポートを通じて、さまざまな視点からメディアの「今」と「これから」に向き合います。

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