『るてんのんてる』とは、読売テレビのディレクター陣が週替わりで渾身の企画を放送する挑戦バラエティ番組。今回受賞したのは入社5年目（当時）の髙橋優佳里ディレクターの企画「ドキュメント＿プランB」。
思い描いた理想の人生じゃない…そんな思いがよぎったとしてもそれは自分に限ったことではありません。世の中の大半の人は同じように夢を諦め、だからといって人生を投げ出すことなく妥協しながらも生きているはず。
そこで今回スポットを当てたのは、夢を叶えられなかった一般人。ただ単にその生活に密着するのではなく、その人が子どもの頃に叶えたかった理想の人生を描いたフェイクドキュメンタリーパートと、現実の生活に密着したドキュメンタリーパートの2部構成で仕立てました。バリキャリ看護師に扮していたのは、仕事と家事に追われ夢を諦めた5児の母！さらに権威ある天文学者に扮していたのは、無職の中年独身男性！
理想の人生と現実の人生、果たしてどちらが幸せだったのか…

フェイクドキュメンタリーの手法を効果的に用いて、理想の人生と現実の人生を対比するという発想が新しい。主人公たちの夢は叶わなかったけれど、それでも投げ出さず、今を懸命に生きている。夢に敗れた人たちへの応援歌のような番組である。

「夢は叶わなかったけど今、幸せです。」
普通ならそんな言葉は強がりにしか聞こえなかったはず。だって夢が叶った人生の方が良いに決まっている。
しかし、今回試みた「理想の人生」と「今の人生」を比較するという一見残酷な構成によって、むしろ実生活の幸せが際立ったのではないかと思います。スタジオで「もしかしたら今の人生の方が幸せなんじゃない？」と話が出た時、伝えたかったことがちゃんと届いたんだと安心しました。
最後に、街中で突然声をかけられ「日常生活に密着してもいいですか？あと、演技もしてもらいたいんですが…」というとんでもないお願いに応じてくださった今北さんと中宮さん、本当にありがとうございました。

読売テレビ放送　髙橋優佳里

チーフプロデューサー　山本陽
プロデューサー　上野正樹、伊藤隆洋、中屋敷亮
企画・ディレクター　髙橋優佳里
構成　上田まさる（Space）
出演　後藤輝基（フットボールアワー）、岩尾望（フットボールアワー）、天羽希純（#2i2）