第50回
エンターテインメント部門
奨励賞
受賞者
熊本放送
作品名
ななまるテレビ 「今日、解決はしないけど。 ―熊本で生きるわたしたちのテレビ―」
概要
複雑化、多様化する社会の流れの中で、実はついていけていないことや、腑に落ちていないこと—そんなもやもやについて、RKKアナウンサーがゲストとともに「答えを出さずに」考える1時間のトーク番組。
テーマ①「生理について考える」では、これまで生理についての話題を避けてきた50代の男性タレントをゲストに招き、「男性アナウンサーが家族の代わりに生理用品を買いにいった」というエピソードに対して、生理に関する様々な価値観をもとに意見を交換。また、RKKの社内研修として実施した「生理痛体験研修」のVTRを通して、生理をめぐるコミュニケーションの難しさについて話し合いました。
テーマ②「ジェネレーションギャップから働きやすさを考える」では、60代の経営者、20代のディレクターが登場し、上司が抱える「指導の難しさ」や、部下が抱える「指導されないことへの不安」など、普段話せない微妙な本音を語り合いました。
選考理由
すぐに解決策や答えが求められる現代において、あえて「解決しない」「答えを出さない」という姿勢を貫くことは実は難しい。これまでの優等生的なテレビの作り方に異を唱え、自分たちの悩みを率直に語り合える広場を作り出そうとする意欲的なトーク番組である。
受賞の言葉
「生理」も「働きやすさ」も、普段企画を出す時に問われる「なぜ今熊本でこれをやるのか」という条件からは外れていて、ローカルで扱うことは少ないテーマです。しかし、どちらも自分たちに関係あることだから、中央に任せるのではなく、熊本の視聴者に向けて自分たちで伝えてみたいと考えました。
制作で心がけたのは、等身大であることです。私たち自身もテーマに対する答えはわからない—そこで番組では自分たちが知り、考える過程を放送。答えを出すのではなく、問題の一段目、一歩目だけを丁寧に扱うことにこだわりました。色々なことが手探りで、本当に全員で手作りした番組でしたが、確実な手ごたえを感じた幸せな仕事でした。
熊本放送 松田望
スタッフ
企画・演出 松田望
ディレクター 堀田結生
撮影 中川亮(オフィスユニオン)
牛嶋孝一郎(オフィスユニオン)
田中文子(オフィスユニオン)
音声 日高歩美(オフィスユニオン)
MA 田中健太郎(アシタノ風)
制作統括 北山周平
アシスタントディレクター 黒澤真咲
収録 松岡秀都
出演 田名網駿一、糸永有希、上村竜太郎、塚原まきこ
山内要、田畑愛、磯田淳、竹内義晴
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