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“ワンカット”に映る街と人─バカリズム紀行が帰ってきた

▶▶▶ 『日日是てれび日和』──気になる番組を読み解く週一コラム 桧山珠美 

【第12回】『バカリズムのワンカット紀行2』(テレ東・2025年10月13日放送)

バカリズム 齋藤飛鳥
翌日の第2夜では齋藤飛鳥さんが登場(2025年10月14日放送回より) ©テレビ東京

BSテレ東で過去に放送されていた『バカリズムの30分ワンカット紀行』が5年ぶりに復活した。1台のステディカムを使い、その街の様子を長回しで撮影し、それを全編ノーカットで放送するもので、そのVTRをバカリズムと女性アシスタントが見ながら、コメントしていくものだ。
街を案内するのはタレントや有名人ではなく、その街に暮らし、生活している人たち。彼らが多少の小芝居をしながら、その街の自慢のスポットやお気に入りの店などを紹介するもので、素人ならではのユルさになんともいえない魅力を感じる番組だ。テレ東には『出没!アド街ック天国』という老舗の街紹介番組があるが、それとはまた違った手づくり感が妙にクセになる。

深夜に見るにはもってこいで、毎週楽しみにしていたのだが、突如、終了。その番組が復活するというのだから、こんな楽しみなことはない。
誰よりもMCのバカリズムも楽しみにしていたようで、「1番好きな番組」というほど思い入れが強い。

バカリズム
©テレビ東京

驚いたのはこの5年間の撮影カメラの進化だ。5年前はステディカムで撮影をしていたが、今回それがスマホになった。それにより、これまで入れなかった狭い場所や、地上から2階へのカメラの移動がスムーズになり、5年前には不可能だった映像を撮ることも可能に。
今回の舞台は、西荻窪。5年前の初回放送で訪れた地に再び降臨というわけだ。第1夜が北口で、翌日放送の第2夜は、ディープな飲み屋街の多い南口に潜入する。

西荻窪で唯一残る新刊本の書店「今野書店」の店主が、ある漫画家さんのイラストを用いたファイルを得意げに紹介し、カメラの向こうのバカリズムに「西荻窪ゆかりの漫画家さんのイラストですが、誰のかわかりますか?」と訊ねたのには少しハラハラした。バカリズムも戸惑うことなく「江口寿史さん」と答えていたことから、ちょうどイラスト問題が騒動になる前に撮られたものかもしれない。なにせ、“ワンカット紀行”なので、そこをカットするわけにはいかないのだ。

そんなざわざわも含め、久しぶりの『ワンカット紀行』は充分楽しめるものだった。最後に不動産屋さんが物件を紹介していたが、本当に住みたくなるような素敵な街だった。
面白かったのが、“おとなの事情”で出演できなくなった齋藤飛鳥の代わりに、齋藤つながりでテレビ東京の齋藤陽アナウンサーが登場したこと。齋藤アナは今年4月に入社した新人アナウンサーで、報道志望ということだが、なぜか『モヤモヤさまぁ~ず2』の5代目アシスタントとして頑張っている。『モヤさま』ファンとしては、初代アシスタントの大江麻理子アナを思わせる落ち着きと知性が感じられ、いずれ、テレ東の看板番組でもある『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のキャスターになるのでは、と期待している。

惜しむらくはたった2回のみの復活ということ。できればレギュラー化を期待する。

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桧山珠美

プロフィール

桧山珠美

桧山珠美(ひやま たまみ)
HBF MAGAZINEでは、気になるテレビ番組を独自の視点で読み解く連載『日日是てれび日和』を執筆中。
編集プロダクション、出版社勤務を経て、フリーライターに。
新聞、週刊誌、WEBなどにテレビコラムを執筆。
日刊ゲンダイ「桧山珠美 あれもこれも言わせて」、読売新聞夕刊「エンタ月評」など。


“HBF CROSS”は、メディアに関わる人も、支える人も、楽しむ人も訪れる場所。放送や配信の現場、制作者のまなざし、未来のメディア文化へのヒントまで──コラム、インタビュー、レポートを通じて、さまざまな視点からメディアの「今」と「これから」に向き合います。

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