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配信王・永野、テレビにモノ申す!ー『週刊さんまとマツコ』
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【第14回】『週刊さんまとマツコ』(TBS・2025年10月26日放送)

長年の習慣か、日曜はTBSを見てしまう。『健康カプセル!ゲンキの時間』(CBC)に始まって、『がっちりマンデー!!』『サンデーモーニング』『サンデー・ジャポン』『アッコにおまかせ!』、そして、この『週刊さんまとマツコ』へと続く。
番組がスタートしたのは、2021年4月のこと。当初は日曜18時30分からの30分番組だったが、1年後に13時30分スタートに変更。さらにその1年後、13時開始となり、ようやく定着した。
明石家さんまとマツコ・デラックスというテレビの人気者2人がタッグを組む、それだけで期待は高まるというものだが、正直言うと、最初の頃は思ったほど面白くなかった。こちらの期待が高過ぎたのかもしれない。
これが若手芸人の番組だったら、早い段階でのテコ入れが入るか、最悪の場合は打ち切りになったかもしれない。天下のさんまとマツコという強力な布陣を揃えている以上、そう簡単に終わらせるわけにはいかない。番組側もさまざまな試行錯誤を重ねた結果、現在の「局地的ホットニュースを深掘りする」かたちになった。
これまでにも、謎の通販CMでおなじみ「夢グループ」の全貌に迫った回や、桑田真澄の次男であるMattの家訪問回(彼は実家暮らしで、つまりは桑田邸訪問ということになる)、プリンセス天功の埋蔵金の謎を探る回など、目のつけどころがユニークだ。
で、今回はというと、お笑い芸人の永野をゲストに迎え、「永野プレゼンツ! テレビをもっと良くしよう討論会2025」と題し、テレビの現状と未来について語り合うものだった。
「ゴッホより普通にラッセンが好き~」という持ちネタを引っさげてテレビに登場した永野。一発屋芸人で終わるかと思いきや、毒舌を活かした独自の芸風で再び脚光を浴び、AbemaTVの『チャンスの時間』などの出演回ではミリオン再生数を連発、圧倒的な存在感で、自らを「配信王」と呼ぶに至る。さらに、昨今の「コンプライアンス」に縛られたテレビにおいて、永野の身を捨てた毒舌は重宝され、テレビのレギュラーも増え、ついにはNHKの科学探求番組『フロンティアで会いましょう!』のMCを担当するまでになった。
「テレビはオワコンだ、オールドメディアだなんて言われていますが、そうではないということをもう一度視聴者にわかってもらおうと……」と永野。
そのための提案をするのだが、1つめが「配信系の人に謝って出直そう」というもの。「3、4年前、配信の人たちの人気があって、その人達をテレビが迎え入れた時期があったじゃないですか」と永野は当時を振り返る。テレビ側の人は、本当は面白いと思っていなかったくせに登録者数を持っているから、それにより視聴率がUPするのでは、という目論見で起用したと持論を述べる。この意見にはマツコも同意。さらに永野は「結局、実験だったってことじゃないですか」と続け、そこから、配信=素人、テレビ=プロという話を展開していく。
その話を裏付けるように、さんまが「ヒカルが、“さんまさんはYouTubeに出ないでくれ。(テレビという)憧れの場所でいつまでもいてほしい”と言われた」と明かし、マツコも「日テレが東海オンエアを出していた時に思ったんだけど、配信が作った状態の人を出してもムダなんだな、ってあれを見てわかった。テレビが作らなきゃいけなかったのに……。それをテレビで出しても、“おなじみの”で終わりなのよね」と語った。
配信で売れた人たちをテレビが安易に使う風潮に、二人がそろって異を唱えた形だ。
ほかに、「テレビも縦型画面を採用せよ!」や「街ブラ番組禁止」「激安店の料理をおいしいと言う番組禁止」「芸能人のキャンプ番組禁止」などなど。
暴論もあるが、それもテレビをもっと良くしようという思いのなせる業で、永野のテレビ愛は伝わった。少なくとも、なんでもかんでもコンプライアンスのせいにするよりはましだ。テレビの真ん中で活躍してきたさんまやマツコの意見ももっと聞いてみたい。
来週は後半戦が放送される。予告編がちらっと映ったが、「永野くんの言うとおりにできたら本当にテレビはおもしろくなる」とマツコが言っていたので、どんな芯を食った案が出てくるのか楽しみだ。
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プロフィール

桧山珠美(ひやま たまみ)
HBF MAGAZINEでは、気になるテレビ番組を独自の視点で読み解く連載『日日是てれび日和』を執筆中。
編集プロダクション、出版社勤務を経て、フリーライターに。
新聞、週刊誌、WEBなどにテレビコラムを執筆。
日刊ゲンダイ「桧山珠美 あれもこれも言わせて」、読売新聞夕刊「エンタ月評」など。
“HBF CROSS”は、メディアに関わる人も、支える人も、楽しむ人も訪れる場所。放送や配信の現場、制作者のまなざし、未来のメディア文化へのヒントまで──コラム、インタビュー、レポートを通じて、さまざまな視点からメディアの「今」と「これから」に向き合います。
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