「民主主義を勝ち取れ！」名もなき沖縄の人々のエネルギーは、やがて国をも動かした。そのビッグウェイブの発端は、サンマをめぐる小さな裁判だった！
米軍統治下に置かれ、祖国復帰を願う沖縄の人々が、楽しみにしていた大衆魚サンマ。そんな庶民の味サンマが、ある日突然20％もの関税がかけられて値上がりした。沖縄の帝王・高等弁務官が決めたこの理不尽なルール「布令」に、一人のおばぁが噛みついた！「サンマの税金を返せ！」と、高等弁務官を相手に裁判を起こしたのだ。おばぁが起こしたこの「サンマ裁判」は、いつしか「民主主義」をかけた大きな闘いへと発展してく。

本土復帰前の沖縄で、大衆魚サンマに掛かる不当な関税をめぐって争われた通称「サンマ裁判」。その珍騒動の歴史を辿りながら、現代沖縄の自治や民主主義を鋭く問いかける。うちな～噺家・志ぃさーによる落語をベースにした展開も斬新だった。

全国へ「沖縄」を発信するとき、いつも考え込んでしまいます。大切な問題であればあるほど、伝えたいメッセージに辿り着く前に「チャンネルを変えられてしまうのでは？」と不安になります。ネット上では、「沖縄の被害者面は見たくない」というような書き込みが目につく今、一体どんな番組をつくれば全国の視聴者に「沖縄のリアル」が届くのか？
試行錯誤の末たどり着いたのが今回のスタイル、落語をベースとした「エンタメ系ドキュメンタリー」でした。「民主主義とは何だ？」という問いを、沖縄の歴史と今をクロスさせて、テレビらしく面白おかしく表現しようと企みました。
評価していただいて、物凄く嬉しいです。ありがとうございました。
沖縄テレビ放送　山里孫存

企画・演出　山里孫存
構成　渡邊修一（フリー）
撮影・編集　祝三志郎
プロデューサー　雪竹弘一（民間放送教育協会）、松田牧人
取材ディレクター　佐久本浩志
ナビゲーター　うちな～噺家　志ぃさー
ナレーター　川平慈英