第46回

ドキュメンタリー部門

奨励賞

受賞者

CBCテレビ

作品名

土がくる 規制なき負の産物の行方

概要

愛知県瀬戸市の日比野さん夫婦は、土木業者に頼まれ、リニア新幹線の開発で出たという建設残土を休耕田に受け入れた。しかし約束の3倍もの量を運び込まれ、リニア建設の残土というのもウソだった。業者は撤去要請に応じず、行政も動かない。
日本では建設残土は年間2億トン近く出るが、実は管理する法律がなく野放しで、土砂崩れなどを引き起こす問題が拡大している。
一方、三重県の尾鷲市では、大型船で関東や関西から建設残土が搬入され、地元の豊かな山を切り崩して大量に投棄されていた。
知られざる建設残土の実態から見えてくる日本の「今」とは。

選考理由

都市開発などで出る2億トンもの建設残土。これらが今、地方の山や、個人の土地に棄てられている。背景には、建設残土を取り締まる法律がないことと、地方の過疎化がある。経済発展の陰で進行している社会問題を突き詰めた好番組。

受賞の言葉

ご評価をいただき、ありがとうございます。普段気にも留めない「土の山」。
気づかないだけで実は住宅街や郊外のあちこちにできています。それは私たちが押し進める開発行為の残滓ともいえるものです。あまりの量に国もゼネコンも手を付けずうやむやにしてきた建設残土の問題を世に問おうと、一連の取材を行いました。
行政の不作為に翻弄される夫婦、孤軍奮闘この問題を指摘しながら「遅すぎた」とこぼす元議員。そして必要悪だと話す残土の搬入業者。いずれの言葉も残土の問題の現実を物語っていて印象的でした。一連の取材によって行政が条例制定に踏み切り、国も初の全国実態調査に乗り出す事に繋がり、一定の意義はあったと考えております。
CBCテレビ 有本整

スタッフ

語り 石井亮次
撮影 民部靖人(CBC クリエイション)
岡村大輔(TVSnext)
音声 牧野敏則(TVSnext)
編集 竹内雅文(CBC クリエイション)
音響効果 笠原貴一(東海サウンド)
題字 新田夕岐子(CBC クリエイション)
企画・取材・構成 有本整
取材 横山朋未
制作統括 大園康志
出演 日比野久美子、畑明郎、奥村武生、鈴木英敬、尾上壽一

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