第46回
ドキュメンタリー部門
奨励賞
受賞者
NHK
作品名
NHKスペシャル 昭和天皇は何を語ったのか ~初公開・秘録「拝謁記」~
概要
象徴天皇の原点に迫る第一級の史料が発見された。初代宮内庁長官として、昭和天皇のそばにあった田島道治の「拝謁記」。1949年から5年近く、天皇の言動が克明に記録されていた。天皇は、戦争を防げなかった悔恨を赤裸々に語り、独立に際して、国民への「おことば」で反省の気持ちを表明しようとする。しかし、吉田茂首相が反対し、重要な一節が削除されていた。さらに天皇は、沖縄や改憲・再軍備についても言及。知られざる人間・天皇の姿が浮かび上がった。番組では、一言一句を忠実にドラマで再現。戦後史を書き換える新史料をわかりやすく伝えた。
選考理由
初代宮内庁長官の田島道治の「拝謁記」には、占領期における昭和天皇の言動が克明に記録されていた。その記録に基づいて、二人の俳優が天皇と田島を演じる。ドラマという虚構だからこそ、象徴としてのあり方に悩む鮮烈な天皇像が描かれた。
受賞の言葉
「天皇 運命の物語」の取材で新史料が見つかったと聞いたのは、2019年初め。書き起こした「拝謁記」を見た瞬間、間違いなく第一級史料と確信しました。それからわずか半年での番組化。日大の古川隆久先生を中心に翻刻作業を進めながら、再現ドラマの準備を始めました。社会部で宮内庁を担当してきたベテラン記者とETV特集で現代史に取り組んできたディレクター、二つが協力したことが大きな力となりました。そして、初代宮内庁長官役の橋爪功さん、昭和天皇役の片岡孝太郎さんお二人の重厚な演技、吉田裕先生ら研究者の的確なコメントにより、新発見の資料が現代によみがえりました。ご協力いただいた多くの方々に改めて感謝申し上げます。
NHKエデュケーショナル 塩田純
スタッフ
出演 片岡孝太郎、橋爪功
語り 広瀬修子
取材 鈴木高晴、吉見直人(フリー)
音響効果 佐々木隆夫
編集 吉岡雅春(ビデオ・ペディック)
撮影 富永真太郎
ディレクター 小林亮夫、岡田亨(フリー)
制作統括 塩田純(NHKエデュケーショナル)、杉田陽介、梅原勇樹
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