第46回
ドキュメンタリー部門
優秀賞
受賞者
北日本放送
作品名
KNBふるさとスペシャル 19人を殺した君と 重い障がいのある私の対話
概要
富山市の八木勝自さんは脳性まひがあり、首から下が動かせない。20代で施設を出て、地域での暮らしを選び、障がい者の自立を支援するNPOの代表を務めている。
2016年、神奈川県の障害者施設で事件が起き、元職員・植松聖により入所者19人の命が奪われた。
「なぜ、障がい者が殺されたのか」を考え続けた八木さんは、去年夏、植松被告に手紙を送り、接見を求めた。現れた被告は「意思疎通がとれない障害者は価値がない」と持論を押し付け、八木さんに問いかけた。「人間とは何ぞや?」対話から浮き彫りになる思想。それは、私たちにも向けられていた。
選考理由
手足に重い障がいのある八木勝自さんは、「津久井やまゆり園」で19人を殺害した植松聖被告に手紙を書いて会いに行く。八木さんと植松被告の息詰まる遣り取り。八木さんは自身の力で、障がい者を差別する社会を浮き彫りにした。
受賞の言葉
「時代は逆戻りしたかと思って怖かった」
八木さんからそのメールが届いたのは事件当日の事。“障がい者に対する世間の目が冷たかった過去”へと時代が逆戻りするのではないか、と恐れていました。…それから3年が経ち、被告と手紙を交わした事を打ち明けられた私は、八木さんの中で今もくすぶる思いを知ります。
普段、ローカル局のニュースキャスターを務めている私にとって、地域の小さな声を社会に届けるのは大切な役割です。手も足も自分の意思で動かすことができない八木さんが自分の意志ひとつで行動する姿に、放送後「考えさせられた」と多くの感想を頂きました。この番組をひとりでも多くの方の心に留めて頂ければ幸いです。
北日本放送 武道優美子
スタッフ、チーム
取材・構成・ナレーション 武道優美子
撮影 羽柴泉(ケイエヌビィ・イー)
音声 宮本敏郎(サウンドヴォイス)、山本久美子(ケイエヌビィ・イー)
題字 島小織(ケイエヌビィ・イー)
CG 平井麻美子(北日本印刷)
編集 平島健一(なないろファクトリー)
ミキサー 中木輝一(ケイエヌビィ・イー)
音響効果 半澤知宏(東京サウンド・プロダクション)
制作統括 河原哲志
出演 八木勝自
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