第46回
ドキュメンタリー部門
奨励賞
受賞者
NHK広島拠点放送局
作品名
NHKスペシャル “ヒロシマの声”がきこえますか ~生まれ変わった原爆資料館~
概要
広島の原爆資料館で、“戦後最大のリニューアル”が行われた。遺品や写真に刻まれた被爆の記憶やエピソードを調査し、「どんな人が持っていたのか」「のこされた家族は何を思うのか」など、“個人の物語”を記して、展示することにしたのだ。
番組では、遺品や写真の由来を取材。「血と汗が滲んだ1枚のシャツ」に込められた「兄の悲しみ」や、「被爆した母と、生まれた子供」の写真の秘話を明らかにした。被爆体験を語れる人が少なくなる中、未来に被爆を継承しようと模索を続けるヒロシマ。被爆者や遺族たちが原爆資料館に託した“ラストメッセージ”に迫る。
選考理由
ヒロシマの原爆資料館が、戦後最大のリニューアルを行った。そのコンセプトは、はっきりしている。被爆者は歳を取り、原爆の生々しい記憶も風化してゆく。ならば、家族の悲しみや苦しみを、被爆者とのエピソードや思い出とともに、人々と共有していこうということだ。風化する「継承」を資料館と共に考える、素晴らしい番組。
受賞の言葉
NHKと元安川を挟んで隣に位置する原爆資料館。初夏の頃から、ディレクターとカメラマンは、リニューアルされた資料館に毎日のように通いました。取材の目的は「遺品が語る物語」をたどること。しかし、寄贈したご家族の多くは亡くなり、お話を伺うことは簡単ではありませんでした。それでも、遺品の持ち込まれた経緯を粘り強く取材していくと、「あの日、持ち主の身に何が起きたのか」。遺族たちが、「それを本人の身代わり」として、いかに大切にしてきたのかが、浮かび上がってきました。
キノコ雲の下には、私たちと同じように、夢を持ち、家族を愛した、ひとりの人間がいた。そうした思いを込めて、番組を制作致しました。
取材チーム
スタッフ
プロデューサー 佐藤稔彦、樋口俊一
ディレクター 佐野剛士、安田哲郎、麓直弥
語り 中村倫也、杉浦圭子
撮影 山口卓也
音声 北村翼
編集 田村麻由
音響効果 定本正治
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