第48回

ドキュメンタリー部門

奨励賞

受賞者

NHK広島放送局、NHK福岡放送局

作品名

NHKスペシャル 原爆初動調査 隠された真実

概要

今から77年前の終戦直後。広島と長崎では、アメリカと日本の科学者が協力する形で、原爆の放射線の影響などが詳しく調べられた。しかし、自然界の百倍以上の放射線が計測されたのに関わらず、アメリカ軍は「人体への影響は無視できる」と報告書に記載。その存在を否定していたのだ。――なぜ、そうした事が起きたのか?私たちは埋もれていた報告書や証言を発掘。今も原爆の影響に苦しむ被爆者たちにとって原点とも言える「初動調査」。その全貌に迫っていく。

選考理由

丹念な取材に圧倒される。原爆の効果について、アメリカ軍と日本の医師が共同で研究したことは知られているが、残留放射能まで厳密に調査したという事実はどうであろうか。ここで重要なのは、アメリカ軍が国際世論を怖れて調査結果を隠蔽した、ということだ。その犯罪性を暴いた、この作品の意義は大きい。

受賞の言葉

「なぜ、被爆地に残る放射線、残留放射線の存在は隠蔽されることになったのか?」「遠い昔の出来事が、今とどう繋がっているのか?」——ディレクターたちは、77年前の問題ではなく、「今の問題」として取材に向き合いました。調査に参加したアメリカ人医師の孫は「祖父は政府の“共犯者”だった」と語ったように、政治と科学との関係など、様々な事を考えさせられる事になりました。残留放射線の影響を訴えたのに、聞き入れられることなく亡くなった広島や長崎の人たち。貴重な証言をして頂いた西山地区の方々に感謝したいと思います。
NHK 佐藤稔彦

スタッフ

語り 廣瀬修子、濱中博久
撮影 三好学
音声 落原徹
音響効果 日下英介
編集 河野達則
取材 喜多祐介
ディレクター 佐野剛士、水嶋大悟、大小田紗和子
制作統括 佐藤稔彦、小口拓朗

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