第49回

ドキュメンタリー部門

優秀賞

受賞者

NHK仙台放送局

作品名

NHKスペシャル 海辺にあった、町の病院 ~震災12年 石巻市雄勝町~

概要

風光明媚なリアス式海岸に面し、病室から穏やかな海が見えた「石巻市立雄勝病院」。東日本大震災で屋上を越える高さ16メートルの津波に襲われ、患者と職員の9割が犠牲になった。医師や看護師たちは、自力で逃げられない患者を置いていけないと、住民の静止を振り切って病棟に向かった姿が目撃されている。地域医療の拠り所だった町の病院。“あの日”までここにはどんな日常があったのか。残された遺族や同僚は、“その後”をどう生きてきたのか。震災12年、初めて語られる心の内に耳を傾ける。

選考理由

雄勝町の雄勝病院職員24人は、寝たきりの老人を見捨てられないと残って津波に消えた。12年という歳月が経って、ようやく重い口を開き、何とも割り切れない思いを話し始めた病院職員の遺族たち。正解のない問いを発し続けるのはメディアの役目であることを如実に表した素晴らしい作品。

受賞の言葉

雄勝病院は、地域の方と家族的な関係を築き、親身なケアを施す病院だったそうです。町民なら誰もがお世話になった病院だから、いわば全員が関係者。亡くなった方の顔も、家族の苦しみも知っている。だからこそ町には、多くを語らず互いを守りあう空気が漂っていました。そんな地域の病院で起きたあの日の出来事を、どう捉えればいいのか。“命を守る人の命”を、どう考えればいいのか…最後まで答えの出ない取材でした。この番組は、正解や結論を求める番組ではありません。お一人お一人が、自分ごととして考えるきっかけになれば幸いです。私たちも見つめ続けていきます。最後に、ご協力くださった関係者のみなさまに、心より感謝申し上げます。
番組ディレクター 高橋憲吾、谷本奈々、松本真理子

チーム

ディレクター 高橋憲吾、谷本奈々、松本真理子(かなでる)
撮影 浅野康治郎
音声・照明 井口大輔(クリエイティヴスタッフ)
編集 中澤和彦(メディア東京)
音響効果 定本正治
プロデューサー 河野泉洋、岡部綾子
制作統括 池本端、篠田洋祐

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