基地の島・沖縄で起きている水の異変。県民45万人が飲んできた水道水に得体の知れない化学物質が含まれていた。その正体は、PFAS・有機フッ素化合物。「子どもたちを守ってほしい」―。不安を募らせる母親たちが声を上げた。しかし…、発覚から8年が経つ今なお日米地位協定が壁となり汚染源とされる米軍基地の調査すら実現していない。命を守る母たちの闘いの記録。
一方、米国ではPFASの毒性を重く見て規制値の厳格化が進む。米国で何が起きているのか！？ 前作『水どぅ宝』（2022年）に沖縄・米国の最新情報を織り交ぜて完成させた2時間の長編ドキュメンタリー。

米軍基地から排出されるPFASという化学物質の正体は、有機フッ素化合物だった。その汚染の実態は深刻である。地位協定をたてに、基地内の調査はできないと突っぱねる政府。だが、沖縄では一刻も早い対応を訴えるために、母親たちが立ち上がった。その生々しい記録。

「PFAS」による水汚染が沖縄で発覚した8年前、1歳になる息子にせっせと水道水を煮沸してミルクを与えていたディレクターの私は、怒りと不安で震えが止まりませんでした。同じ不安を抱く人たちに情報を届けたい、その一心で取材を続けてきました。
問題発覚から8年、沖縄では「汚染源が米軍基地である蓋然性が高い」とされながらも日米地位協定が壁となり基地内への立ち入り調査すら実現していません。それでも、未来の命の為に諦めるわけにはいかないと行動し社会を前進させる市民の皆さんが沖縄にとっての“希望”。全国で汚染が広がる実態が明るみに出る今、その希望が未知の汚染物質への不安を募らせる人々の灯となる事を願ってやみません。

沖縄テレビ放送　平良いずみ

ディレクター　平良いずみ、松本早織
撮影・編集　大城茂昭
プロデューサー　山里孫存、末吉教彦
構成　渡邊修一（フリー）
音楽　丸山誠（フリー）
出演　津嘉山正種、仲宗根由美、町田直美、与那城千恵美