HBF 公益財団法人 放送文化基金

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放送文化基金賞

受賞のことば 第48回【番組部門】ラジオ番組部門

最優秀賞

FMシアター
手を振る仕事

(NHK)

 ほのかな希望を灯すようなドラマを作りたいと思っていました。そんな時に出会ったのが足立聡さんのこの脚本です。
 手を振ることで知り合った若い二人。それぞれの夢は叶い難く、一人は別の夢に向かうと決め、もう一人は同じ夢を追い続けると決める。出会いと別れと、再スタートの物語です。番組化するなら絶対に私の手で!と強く願う程自分にとって大切な物語でした。この二人しかあり得ないと思うくらい、役にぴったりだった青木柚さん、中田青渚さん、そして周りを支えて下さった共演の皆さん、ありがとうございます。そして、いつも音楽、音声、音響効果に助けられていますが、今回も力を借りました。
 素晴らしい賞を頂き大変光栄です。
NHK 木村明広

優秀賞

永遠の平和を
あるBC級戦犯の遺書

(RKB毎日放送)

 日本の指導者が罪に問われた「A級戦犯」を知る人は多くても、現場の兵士や下士官らが罪に問われた「BC級戦犯」はあまりにも知られていません。死後70年が経っても、父親が何をしたのか、御遺族が知らないという状況を知り、公文書など一次資料を探すことにしました。妻や幼い息子たちを気遣う優しい農業青年が、命令によって捕虜を殺害し、戦犯として命を奪われる。これは遠い過去のことではありません。ロシアがウクライナに侵攻したいま、同じような悲劇が現実になろうとしています。藤中松雄さんの遺書から、普通の人たちが「戦争犯罪人」となる、その苦しみ、悲しみを知ってほしいと思います。
RKB毎日放送 大村由紀子

奨励賞

ニッポン放送報道スペシャル
あの日の誓いから10年・始まった共生社会への挑戦!

(ニッポン放送)

ニッポン放送 遠藤達也さん

上村貢聖さん

 私が小椋汐里さんと初めて出会ったのは東日本大震災の年、東北地区視覚支援学校主催の弁論大会でした。小椋さんは当時12歳。彼女は白杖がなくても積極的に外に出ます。何とか道を探し周りの人に聞いて目的地にたどり着こうと努力します。「明るく前向きでまずは行動」がモットーの彼女は当時から「共生社会」の体現者でした。「英語が話せれば世界が広がる」この喜びを子供たちに伝えたい。「私と接することで子供たちに障がい者を知って欲しい。」彼女はずっと体を張って生きてきました。この10年間、多くの方に彼女を知って欲しいと願い取材と番組制作を続けてきました。今回はその機会を頂き心から感謝申し上げます。
上村貢聖