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ローカル局アナの個性が光る|『千鳥かまいたちゴールデンアワー』全国ご当地アナSP

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【第46回】『千鳥かまいたちゴールデンアワー 全国ご当地アナウンサー大賞2時間スペシャル』(日本テレビ・2026年6月17日19時~)

〇〇テレビはJNN系列で、テレビ○○はFNS系列……。恥ずかしながらテレビ局の系列がいつまで経っても覚えられない。さすがにキー局、準キー局はわかるが、なんといっても全国には127局もの民放テレビ局があり、馴染みのない県の放送局ともなるとすっかりお手上げ状態だ。

それでもNNN系列、いわゆる日テレ系だけは比較的頭に入っている。昔から『ズームイン!!朝!』や『24時間テレビ』などで、系列局のアナウンサーたちの活躍を目にする機会が多かったからかもしれない。

そんなことを思いながら『千鳥かまいたちゴールデンアワー』を見た。

この日は日テレ系列のアナウンサー総勢39名が集まる2時間のスペシャル番組で、昨年に続く第2弾。昨年出演したアナウンサーの顔もちらほら。昨年、この番組に出演したことで、声を掛けられることが多くなった、などという話もあり、やはり全国放送は特別なことのようだ。

普段はそれぞれの地域で活躍するアナウンサーたちが、こうして一堂に会すると、その個性がよく見えてくる。加えて、各局ならではの事情や文化についての話も聞くことができて、それぞれの局のカラーまで見えてくるのが面白い。

たとえばこんな話題。

テレビ大分の柴田真里アナは、生中継で食リポをすると緊張のあまり箸上げの手がプルプル震えてしまう。中京テレビの吉澤陽菜アナの実家は「銀座吉澤」という創業100年以上の老舗精肉・すき焼き店。山梨放送の金井鉄馬アナは、これまで読んだ原稿をすべて保管し、先輩からのアドバイスはボイスメモで録音して残すなど、筋金入りの収集家。そんなエピソードが次々と飛び出すなか、特に興味深かったのが、福井放送の田中悠登アナだ。青山学院大学陸上部の元キャプテンで、2025年の箱根駅伝では9区を走り、チームの連覇に貢献した経歴の持ち主だ。

番組ではそんな田中アナが、恩師・原晋監督のもとを訪問。アナウンサーとして活躍する姿を収めたVTRを見てもらっていたが、「しゃべりがマニュアルだな」とまさかのダメ出し。変わらぬ師弟関係に和んだ。

「アナウンサーのサイン事情」や「お給料事情」などに触れる場面もあったが、なかでも興味深かったのは、「アナウンサーの衣装事情」。山口放送・畑中里咲アナによれば、山口放送はアナウンサーの衣装代は自前で、女性アナウンサーは月1万円のサブスクレンタルを利用していて便利なのだが、ほかのアナウンサーと衣装が被ってしまうことがあり困るという。その理由は、発注する際に、「アナウンサー」「キャスター」などというワードを記入することから起きてしまうそうで、なんともお気の毒なことだ。

また、静岡第一テレビは、衣装の「色」に注意が必要だという。県内に3つのプロサッカーチームがあるため、「清水エスパルス」のオレンジ、「ジュビロ磐田」のサックスブルー、「藤枝MYFC」の藤色を着用すると、そのチームに肩入れしていると思われるからだとか。その一方で、福島中央テレビにはスタイリストがついているがクセが強いという話も。男性アナはスーツでなんとかなるが、女性アナはなかなか大変そうだなというのがよくわかった。

ローカル局のアナウンサーは県外出身者も多く、その土地で言ってはいけないNGワードをうっかり使ってしまうと、クレームが来ることもある、などという話題で弾んだ「ご当地NGワード大賞」もまた興味深いものだった。

富山県のブラックラーメンを「しょっぱい」と言ってはいけない、とか、広島県で「広島風お好み焼き」と言うのは間違い。なぜなら広島の「お好み焼き」が「お好み焼き」だから、とか、鹿児島の醤油は激甘だが、「甘い」と言ってはいけないとか。お茶どころの静岡県では、お茶の表現に厳しく、薄い濃いはNG。「金色透明」「黄金色」「若葉色」「ヤナギ色」と表現。「茶色」はもってのほかで、「琥珀色」というのが正しいなどなど。

ローカル局のアナウンサーたちの奮闘ぶりが伝わる楽しい番組だった。局の数だけ文化があり、そこには個性豊かなアナウンサーがいる。せっかくなので、年に一度とは言わず、もっと系列局のアナウンサーたちが活躍できる場を作れば、テレビ全体も盛り上がるのではないだろうか。

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プロフィール

桧山珠美

桧山珠美(ひやま たまみ)
HBF MAGAZINEでは、気になるテレビ番組を独自の視点で読み解く連載『日日是てれび日和』を執筆中。
編集プロダクション、出版社勤務を経て、フリーライターに。
新聞、週刊誌、WEBなどにテレビコラムを執筆。
日刊ゲンダイ「桧山珠美 あれもこれも言わせて」、読売新聞夕刊「エンタ月評」など。


“HBF CROSS”は、メディアに関わる人も、支える人も、楽しむ人も訪れる場所。放送や配信の現場、制作者のまなざし、未来のメディア文化へのヒントまで──コラム、インタビュー、レポートを通じて、さまざまな視点からメディアの「今」と「これから」に向き合います。

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