第47回

ドキュメンタリー部門

優秀賞

受賞者

椿プロ、NHKエデュケーショナル、NHK

作品名

BS1スペシャル レバノンからのSOS ~コロナ禍 追いつめられるシリア難民~

概要

アラブの春から10年、内戦を逃れレバノンに避難する120万から150万ものシリア難民。経済的に困窮し、売春や臓器売買が広がっていた。番組が売春組織を取材中の3月15日、新型コロナウイルスの感染拡大で、レバノン政府が非常事態を宣言。しかし、難民たちはマスクも買えず、消毒液も不足、支援団体の援助も十分ではなかった。差別が拡大、難民キャンプへの襲撃も起こる。家庭ではDVが急増し、自殺者も現れた。コロナ禍で世界から忘れられた難民たち、とりわけ女性や子供への抑圧が強まっている。その窮状に4か月間密着した衝撃のルポ。

選考理由

レバノンに逃れたシリア難民のコミュニティでは、コロナ禍によって、貧困や差別が激化し、暴力が横行している。犠牲になるのは、女性と子どもたちだ。その胸が締め付けられるような暮らしを、丹念に取材している。女性の痛みを真向うから見据えた衝撃的作品である。

受賞の言葉

2020年1月、シリア難民を取材するためレバノンを初めて訪れました。
その時、まさかコロナがこれほど世界を震撼させることになるとは想像もしていませんでした。
3月15日、空港も封鎖され私自身も出国の道を絶たれました。レバノンでは近年、極貧層が50%を超える中、臓器を売る難民さえもいました。そこにコロナが追い打ちをかけ差別や家庭内暴力が増え、自殺者までもでました。とりわけ弱い立場の女性と子供たちがしわ寄せを受けていました。5月に臨時便で帰国するまでの取材中、私の心に強く響いたのは、困難に負けまいと強く生きていこうとする彼女たちの姿でした。内戦から10年、世界から忘れられた難民の現状と彼らの生きる強さも少しでも伝えることができたならば、うれしく思います。
椿プロ 金本麻理子

スタッフ

語り 大竹しのぶ
ディレクター 金本麻理子(椿プロ)
制作統括 塩田純(NHKエデュケーショナル)、東野真(NHK)
コーディネーター 中川稲子
音響効果 河原久美子(PACO)
取材 藤井沙織(椿プロ)、石井佳美(椿プロ)
デスク 円谷あゆみ(NHKエデュケーショナル)

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