第52回

ラジオ部門

最優秀賞

受賞者

NHK

作品名

特集番組 沖縄戦後80年 父はアメリカ兵だった

あらすじ

沖縄では80年にも及ぶ米軍の駐留により、米兵と沖縄女性の間に数多くの子どもが生まれています。そうした「ハーフ」或いは「ミックスルーツ」と呼ばれる人々は幼少時から差別や偏見に苦しんできました。番組では当事者3人の視点から沖縄の知られざる歴史に焦点をあてます。宮永英一さん(74歳)は周囲の冷たい視線をはねのけて音楽の才能を磨き、沖縄を代表するミュージシャンに登り詰めました。仲村和枝さん(76歳)は差別に耐え切れず一度は沖縄を離れましたが、故郷の人々の愛を再発見したことで故郷を取り戻しました。親富祖愛さん(42歳)の父は黒人です。親富祖さんは今なお続く差別の現状を変えるべく活動を続けています。

選考理由

沖縄の「ミックスルーツ(ハーフ)」の現状という独自の視点から、戦後80年を検証した優れた番組である。幼少期から差別や偏見に苦しんだ3人の語り手の、それぞれの言葉が重い。〈薩摩の琉球侵略以来まだ支配の中にある沖縄〉〈否定し続けた父の血を受け入れ、故郷を取り戻す〉〈沖縄に基地がある限り終わりのない構造的差別〉。そして、あきらめずに希望を模索する各々の人生の今の姿が、戦後80年について、未来について問いかける。

受賞のことば

「沖縄の知られざる問題に光をあてたい」という思いから取材を始めましたが、センシティブなテーマだったために取材拒否の連続でした。そんな中、番組趣旨にご賛同頂き、ご自身の厳しい体験を今回お話し下さったお三方には感謝しかありません。本当にありがとうございました。一方で取材にご協力頂けなかった「ハーフ」の方からの次の言葉も忘れられません。「いい思い出だけを記憶の中に閉じ込めて、世間に語ることなく墓場まで持っていきます。見つけてくださってありがとうございました」…お断りの言葉なのですが、私の胸に深く突き刺さっています。このような思いを抱えた方がいる。それを伝えるのが私たちの使命だと改めて教えられました。
安里恭幸

スタッフ

制作統括 小野勇人
取材・構成 安里恭幸
音声 瀬戸亮太(エクサート松崎)
音響効果 後藤辰哉(ナイス)
語り 広瀬修子
出演 宮永英一、仲村和枝、下地ローレンス吉孝、親富祖愛

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