第46回

ドラマ部門

最優秀賞

受賞者

NHK大阪拠点放送局

作品名

土曜ドラマ 心の傷を癒すということ

概要

ジャズピアノと読書をこよなく愛する安和隆(柄本佑)は、幼い時に自分が在日韓国人だと知って以来、自分が何者なのかを模索していた。やがて親友の湯浅(濱田岳)と同じ大学の医学部に進み、青春を謳歌。映画をきっかけに出会った終子(尾野真千子)と恋に落ちる。大学では、まだ心の傷への社会の理解が乏しい時代の中で、精神科医の永野教授(近藤正臣)の影響を受け、父・哲圭(石橋凌)から猛反対にあうにもかかわらず、精神医療の道に進むことを決意する。それから数年後の1995年1月17日。精神科医となった和隆が暮らす神戸の街を、大地震が襲う。その直後に向かった勤務先の病院で和隆が目にしたのは、野戦病院さながらの光景だった。無力さを痛感しながらも、身体的な治療の後にはきっと心の治療が必要になってくると感じた和隆は、避難所を回りながら心の傷に苦しむ被災者に寄り添っていく。

選考理由

「弱いっていうのは大事なことだよ。他人の弱さがわかるからね」や、「医者の仕事というのは、そばに寄り添うことでしかない」といった名ゼリフが、「心の傷を癒すということ」の本質を衝いた。サントリー学芸賞を受賞した安克昌著の原作の良さもあるが、心に傷を抱えて生きる人の多い現代を支えてくれる感動の作品となった。柄本佑の演技が秀逸であり、誰かのために穏やかに、しかし忍耐強く一緒にいることの大切さを伝えてくれた。

受賞の言葉

安先生が生きたそこはかとなく切なく優しい時間・・・素直に奇をてらわず、ただひたすらに安克昌さんに向き合い、寄り添うことを目指しました。「人が生きる」ということの、厳しさも楽しさも喜びも痛みも苦しみも悲しみも、ドラマチックに誇張することなく静かに包み隠さず描く。そうすることでしか安先生の生き様は見えてこないと信じ、スタッフ一同思いを込めて制作にあたりました。
放送後、大きく世の中が変わりました。世界各地で多くの人が「痛み」に直面しています。この受賞をきっかけに、安克昌さんの思いがさらに少しでも多くの方の心に届き、心の支えとなって生き続けることを願っています。
NHK大阪拠点放送局 安達もじり

スタッフ

原案 安克昌
脚本 桑原亮子
音楽 世武裕子
制作統括 城谷厚司
プロデューサー 京田光広、堀之内礼二郎、橋本果奈
演出 安達もじり、松岡一史、中泉慧
出演 柄本佑、尾野真千子、濱田岳、森山直太朗、浅香航大、濱田マリ、趙珉和、石橋凌、キムラ緑子、近藤正臣 ほか

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