第51回
ドラマ部門
最優秀賞
受賞者
NHK
作品名
連続テレビ小説 虎に翼
概要
主人公・猪爪寅子(ともこ・通称トラコ)は、女学校卒業後、結婚を勧める母を振り切り、日本で唯一の女性に法律を教える学校へ進学する。周囲から「魔女」と陰口をたたかれながらも法を学び続け、昭和13年には日本初の女性弁護士の一人となる。しかし弁護士としての職を得ても、寅子は女性であることによる困難に直面し続ける。日本は戦争に突き進んでいき、兄と夫を失うという悲劇にも見舞われる。焼け野原となった日本で、寅子は公布された日本国憲法に希望を見出し、裁判官になることを決意。戦争で親を亡くした子供たちや苦境に立つ女性たちのために、家庭裁判所の設立に奔走する。そして裁判官となった寅子は、志を同じくする仲間たちとともに、人々の身近な問題に向き合い情熱を注いでいく。日本初の女性弁護士として、そして女性裁判官の草分けとして、困難な時代を力強く生き抜きながら、寅子はその生涯をかけて法とは何かを問い続けた。
選考理由
日本初の女性弁護士、判事、裁判所長を務めた三淵嘉子をモデルとして史実に基づきながら、多様で精彩に富む人物設定や、ユーモラスな演出により、笑って泣ける高品位のドラマとなった。当時の社会の価値観に対して「はて?」と疑問符を突きつける手法が痛快で秀逸であり、現代社会にも「はて?」と問い直す面が多々あることを示唆してくれる。何より主人公・寅子が魅力的で頼もしく演じられ、多くの人が勇気づけられたのではないだろうか。
受賞の言葉
この度は素晴らしい賞をいただきありがとうございます。三淵嘉子さんという過去の先達の闘いを描きながら、今ここ現在の闘いも描く、それが『虎に翼』というドラマだったのだと思います。100年近く前から物語が始まった『虎に翼』が描いてきた問題には、現代にいたるまで解決していないことがたくさんあります。日本国憲法十四条によって、「法の下に平等」なはずなのに…、「差別されない」はずなのに…。放送が終わってからもずっと『虎に翼』という作品は問いを発し続けていると感じます。寅子たちが闘って生きた先の世界に生きる自分に何ができるのか、頭の中にいる寅子に「はて?」と問われながら、これからも考えていきたいと思います。
NHK 尾崎裕和
スタッフ
作 吉田恵里香
音楽 森優太
主題歌 米津玄師
語り 尾野真千子
制作統括 尾崎裕和
演出 梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉
プロデューサー 石澤かおる
美術 日髙一平
技術 中橋孝雄
音響デザイン 武田文
取材 清永聡
出演 伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、岡田将生、森田望智、土居志央梨、高橋克実、沢村一樹、滝藤賢一、松山ケンイチ、小林薫 ほか
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