第51回
ラジオ部門
最優秀賞
受賞者
CBCラジオ
作品名
CBCラジオ特集「20年目」
概要
誰もが無実の罪に問われる可能性があります。その時、法は、救ってくれるのでしょうか。
2003年の湖東記念病院事件で、患者の「人工呼吸器のチューブをはずした」などと自白し逮捕された西山美香さん。合理的な自然死の疑いがあるにもかかわらず、有罪判決を受け12年間服役しました。
99.9%不可能と言われる再審の扉をこじ開けたのは、元・裁判官の矜持と自戒を抱く弁護士、美香さんが獄中から両親に送った350余通の手紙から無実を感じ取り世に問うた地方新聞の記者たち、そして、娘の無実を信じる両親の悲痛な叫びでした。
西山さんが綴った手紙は、両親しか目にすることのないものだからこそ、その時その時の「美香さんの真実」を物語っています。
番組では、無実を訴えながら12年間の服役後に再審無罪が確定した西山さんの20年を振り返りながら、再審法に改正が求められる理由を紐解き、法は誰のためにあるのか、問いかけます。
選考理由
再審へ向け尽力した両親、弁護士、事件に光をあてたジャーナリストなどへの丁寧な取材とドラマチックな構成で、再審法の問題点を浮き彫りにした。獄中から両親へ送った手紙を西山美香さん本人が朗読しており、その声が冤罪の痛みを伴って、聴く者に迫る。ラジオならではの、声の力を感じさせる番組である。
受賞の言葉
新聞の特集記事で西山美香さんの手紙を目にしたのは、2017年ごろだったでしょうか。獄中からご両親にあてて送った手紙を公開し、冤罪を問う、その記者魂にいたく感銘を受けました。数年後、スタジオでその手紙をご本人に読んでもらい音になった時、作品の全体像が浮かびました。冤罪の生まれるプロセス・再審法とは・再審法の改正が何故必要なのか。秦さん、井戸さんという、気骨あるプロフェッショナルの明晰な語り、再審法改正に尽力される周防さんの見識。何より美香さんとご両親の叫び。私共は、皆様の信念やお力を作品にまとめたにすぎませんが、この受賞により、多くの方のお耳に届く機会に恵まれましたことに、深く感謝申し上げます。
テラ・プロジェクト 森理恵子
スタッフ
プロデューサー 藤塚卓洋
ディレクター・構成 森理恵子(テラ・プロジェクト)
取材・リサーチ 太田哲太郎(テラ・プロジェクト)
出演 秦融、西山美香、井戸謙一、周防正行、いのこ福代、加藤由香
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