第47回

ラジオ部門

奨励賞

受賞者

南海放送

作品名

南海放送ラジオ報道特別番組 「感染」―正義とは何か―

概要

2020年3月、愛媛県内で初めて新型コロナへの感染者が確認された。以降、県内の空気は一変。感染者を特定したり根も葉もない噂を流したり、自粛警察をはじめとする差別や誹謗中傷が横行した。番組では当事者へ取材を重ねることで、人を守るはずの「正義」が人を攻撃するための免罪符となっていく実態を描いた。さらに、歴史を振り返ると100年前のコレラ大流行の際にも社会的弱者へ差別の目が向けられ、迫害されていたことが明らかになる。現代で繰り広げられる差別と繰り返される差別の歴史。新型コロナは私たちに何を問いかけているのか。

選考理由

コロナ禍の世間的問題点に焦点を当てた。
愛媛県の新型コロナウイルス感染者をめぐる差別騒ぎ。当事者たちによる声のリアリティとかけめぐるデマの伝染、悪気はないのだという無垢ゆえの罪深さ。
その分析は、お遍路の伝統にまでさかのぼり、民俗的な日本人の習性まで掘り下げて、聴きごたえがあった。

受賞の言葉

「あんたらが報道すると、もっと誹謗中傷されるけん…」。緊急事態宣言下、当事者への取材は難航しました。何人もの方に断られ続けるうちに「この番組は放送して何かの役に立つのだろうか…」と自問自答する日々でした。そんな中、出会ったのが四国遍路の歴史を取り上げた新書でした。そこには、100年前にコレラが流行した際、「自分を守るために」特定の職業や社会的弱者へ差別と迫害が繰り返されていたということでした。歴史を繰り返してはならない—。それだけがこの番組を放送するモチベーションでした。コロナ禍の裏には何万もの人権侵害に遭った事実を忘却しないように、この番組がいつか役立てば幸いです。本当にありがとうございました。
南海放送 植田竜一

スタッフ

企画・統括 山内孝雄
プロデューサー 古茂田圭
ディレクター・取材 植田竜一
取材 中武正和
ナレーション 永野彰子

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