第49回
ドラマ部門
最優秀賞
受賞者
関西テレビ放送
作品名
エルピス ―希望、あるいは災い―
概要
スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)と深夜の情報バラエティ番組の新人ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)が、犯人とされた男の死刑が確定した、10代の女性が連続して殺害された事件の冤罪疑惑を追う。政権からの圧力や組織の軋轢などと戦っていくことで、自らの封印してきた過去の痛みと向き合い、一度は失ってしまった“自分の価値”を取り戻していく姿を描いていく。
舞台となるのは大洋テレビ。浅川の元恋人で政治部記者である斎藤正一(鈴木亮平)や報道からバラエティに異動させられたプロデューサー村井(岡部たかし)など、一癖も二癖もある個性豊かな登場人物たちと二人がどう絡んでいくかも見どころの一つ。
二人が追っていく冤罪事件の真相には、別の殺人事件も大きく絡んでいき、政権からの報道への圧力、事件報道におけるマスコミの罪にも触れながら戦う姿を描いていく、新しい社会派エンタテインメント作品である。
選考理由
映像、演出、演技、ストーリー、あらゆる点でこれまでとは違う一段レベルの高いドラマが出現したとして高く評価された。渡辺あやの脚本、大友良英の音楽、大根仁の演出という手練れのスタッフに支えられ、冤罪と政治権力という実際の社会問題をえぐる批判性の高いドラマとなった。長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平、三浦透子、岡部たかし等が演じる主要人物の激しい葛藤と変貌とが視聴者の心を深く捉え、見事、最優秀賞に輝いた。
受賞の言葉
全てのドラマには産みの苦しみがあり、世に出るまでには多くの人の力が尽くされているものですが、このドラマでは公に名前を出せない方も含め本当にたくさんの方のお力をお借りしました。関わってくださった皆さまに深く感謝申し上げます。
私たちが生きるこの社会に冤罪という恐ろしい犯罪があること、それをエンタテインメントの形で伝えたいという想いからスタートした企画でしたが、登場人物たちと共に戦いを続けるうちに、法曹界にとどまらず、政権や報道機関が抱える問題にも触れることができたのはまさに連続ドラマの醍醐味だと思います。この賞を励みに、さらにドラマ作りに精進していきます。ありがとうございました。
関西テレビ放送 佐野亜裕美
スタッフ
脚本 渡辺あや
音楽 大友良英
演出 大根仁(オフィスクレッシェンド)
撮影 重森豊太郎
照明 中須岳士
録音 渡辺真司
プロデュース 稲垣護(ギークピクチュアズ)、大塚健二(ギークパーク)、佐野亜裕美
出演 長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平、三浦透子、岡部たかし ほか
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