第48回

ラジオ部門

優秀賞

受賞者

RKB毎日放送

作品名

永遠の平和を あるBC級戦犯の遺書

概要

1945年、日本はポツダム宣言を受諾し敗戦した。連合国によって戦争犯罪人を裁く軍事法廷が開かれ、スガモプリズンではA級戦犯7人のほか、捕虜虐待などでBC級戦犯53人が処刑された。そのうちの1人、藤中松雄は現在の福岡県嘉麻市の出身だ。海軍に入隊した松雄は終戦の年の4月、沖縄県の石垣島で米兵捕虜3人の処刑現場に立ち会っていた。亡くなってから70年経って、法廷での松雄の姿が初めて確認された。松雄はどのような戦争犯罪に問われ、裁かれたのか。公文書によって明らかになった裁判の経過と、28歳で命を絶たれた青年が遺した言葉を伝える。

選考理由

テーマは重く大切なこと。何度でも言わなくてはいけない。戦犯というのは、はたまたトピカルな話題にもなり、改めて我が身を振り返るきっかけにもなった。なぜこの悲劇が起きたのか、他人事ではない。

受賞の言葉

日本の指導者が罪に問われた「A級戦犯」を知る人は多くても、現場の兵士や下士官らが罪に問われた「BC級戦犯」はあまりにも知られていません。死後70年が経っても、父親が何をしたのか、御遺族が知らないという状況を知り、公文書など一次資料を探すことにしました。妻や幼い息子たちを気遣う優しい農業青年が、命令によって捕虜を殺害し、戦犯として命を奪われる。これは遠い過去のことではありません。ロシアがウクライナに侵攻したいま、同じような悲劇が現実になろうとしています。藤中松雄さんの遺書から、普通の人たちが「戦争犯罪人」となる、その苦しみ、悲しみを知ってほしいと思います。
RKB毎日放送 大村由紀子

スタッフ

取材・構成・演出 大村由紀子
選曲・編集 寺岡章人(フリー)
音声 篠原圭(RKBミューズ)
ナレーション 山崎夕希子(パインズ)
朗読 佐藤巧、茅野正昌
出演 藤中孝幸、内海愛子、髙澤弘明

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