第50回
ラジオ部門
最優秀賞
受賞者
NHK
作品名
みんなでひきこもりラジオ
概要
ひきこもり当事者のメッセージやリクエストを、パーソナリティが、ただひたすらに、紹介していく番組です。現在、ひきこもりとされる人は、全国でおよそ146万人、中でも40代~60代は70万人以上と推計されており、深刻な社会課題になっています。ひきこもり当事者は、社会と距離を置いているため、その実情を把握することも難しい状況です。
この番組では、寄せられる当事者の悩みや困りごと、本音を聴くのは、専門家でも著名人でもありません。同じ当事者であるリスナーです。当事者は、ひきこもりに至った理由も、人間関係や就労の環境なども、みな違っており、千差万別です。番組が、それぞれが納得できるアドバイスや意見を提示するのは難しく、それよりも、孤立している当事者たちが、ラジオでリスナーとして集まる「場」になることを目指しています。
4年前の特番から始まり、2023年度は毎月1回放送です。現在、全国各地で様々にひきこもっているリスナーの声が、各回、数百を超えて集まる番組になっています。
選考理由
人は誰でも引きこもりたい気持ちを持っているけれど、現代の日本社会はそこに安住することを許さない厳しさがある。その苦しさや辛さを匿名のまま、カオナシの状態で集合して、お互いがその気配だけを発信しながら緩やかな人だかりを形成する。ネットも民放でも出来ないことを、NHKラジオだからこそ可能にした。焚火の音を真ん中にして、そこにみながいるということは確実に伝わる。奇跡的に緩やかな番組。
受賞の言葉
番組に届く声を聴くと、様々な年齢、環境、立場の人が、様々な苦しみや悩みを抱えているのが分かります。
「人目が怖くて出られない」から「散髪や投票所に行けない」ことがあったり、入浴・歯磨き・洗顔も精神的に辛く、うつ病や様々な疾患を抱えていたり、不採用が続いて社会とつながれなかったり…、ひきこもりの実情について、初めて知ることも多いです。
しかし、「ひきこもりは甘え」と、まだまだ誤解も多いと思います。より多くの方に番組を聴いて、実情を知っていただけると嬉しいです。
『みんなでひきこもりラジオ』は、当事者でもあるリスナーが作っている番組です。この受賞はリスナーと一緒に喜びたいと思います。ありがとうございました。
NHK 石井直人
スタッフ
チーフプロデューサー 石井直人
ディレクター 橋本美規(TRICO ECHO)、稲角牧子(TRICO ECHO)、佐藤直樹(TRICO ECHO)、松本慶子(TRICO ECHO)、花木伸江(TRICO ECHO)
音響効果 内田裕輔(ラクロットジャパン)
ミキサー 花田幸一(アルファ企画)
制作統括 小野勇人
パーソナリティ 栗原望
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