第47回

ドラマ部門

最優秀賞

受賞者

NHK仙台拠点放送局

作品名

宮城発地域ドラマ ペペロンチーノ

概要

宮城県牡鹿半島にあったイタリアンレストランを東日本大震災の津波で失い、失意のなかアルコールに溺れたオーナーシェフの小野寺潔(草彅剛)。自暴自棄の生活を送る中でバイク事故を起こしてしまった潔は搬送された病院で、東京から被災地支援で来ていた医師佐々木(國村隼)に出会い、ある約束をする。その後、仮設住宅で高校の同級生より子(矢田亜希子)に偶然再会し、ペペロンチーノをふるまったことをきっかけに潔は新しく店を建て直すべく動きだす。そんな潔のそばにいつも寄り添う潔の妻、灯里(吉田羊)。そして潔は震災からちょうど10年の3月11日に震災後に出会った友人たちを招きある宴席を企画する。潔は突然の招待に戸惑う友人たちに、その意図を語り始める‐。そして、宴会が進むなか、発災から10年間のそれぞれの秘めた物語が浮かび上がってくる…。苦難があっても前向きに人生を送れるかもしれない。そんな思いになれる極上の群像劇。

選考理由

震災10年の節目に、被災者復興という眼鏡をはずして、現地の人たちの視点から今を生きるとはどういうことかを描くドラマとして高く評価された。シンプルだからこそ旨い味を出すのが難しいペペロンチーノに託しながら、失われたもののあまりにも大きなつらさを胸にそれでも強くシンプルな日常を送っていくことの大切さを描いたドラマ性が高く評価された。草彅剛のひたむきさや、吉田羊の不思議な存在感が強いインパクトを残すドラマとなった。

受賞の言葉

震災から10年、時間がたつほど被災地域の人達の状況は本当に多様。しかしメディアが取り上げるのは前を向いて行動を起こしている人や、悲しみにくれている人や、ある種分かりやすい方が多い。でも実際はそんなメディアには出ない小さな声や本音があることを知っている私たちは今回ドラマの中にそういった声を散りばめました。そこは脚本の一色さんがロケ地になった女川、石巻に実際に足繁く通っていた中からリアリティーのある言葉を紡いでくれました。震災に向き合うことは、突き詰めると“本当の幸せとは?”といった普遍的なテーマにつながる―そんなことを意識しながら制作した、一色さん曰く“童話”が多くの方に届くことを願っています。
NHK仙台拠点放送局 青木一徳

スタッフ

制作統括 青木一徳
演出 丸山拓也
プロデューサー 河野泉洋
脚本 一色伸幸
音楽 世武裕子
出演 草彅剛、吉田羊、國村隼、矢田亜希子、富田望生、一色洋平、齊藤夢愛、蒼波純、古川凜 ほか

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