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HOME読む・楽しむ“タブー視”せず議論の場を  植村 優香 × 石田 望 × 桐野 夏生

読む・楽しむ 放送文化基金賞特集
放送文化基金賞の受賞者へのインタビュー、対談、寄稿文などを掲載します。

2022年10月3日
第48回放送文化基金賞

鼎談

テレビドキュメンタリー番組 [最優秀賞]

“タブー視”せず議論の場を

植村 優香 × 石田 望 × 桐野 夏生

 ディレクターの植村優香さんには18歳のダウン症の妹・彩英さんがいる。家族にとって大切な存在だ。しかし、今、お腹の赤ちゃんの状態を調べる出生前診断が広がっている。検査で障害の可能性が分かり、確定した人の9割が中絶をしている。命を選ぶということは、どういうことなのか。当事者との対話から考えるセルフドキュメンタリー 『目撃!にっぽん 妹が生まれなかったかもしれない世界~出生前診断と向き合って~』(NHK名古屋放送局)がテレビドキュメンタリー番組の最優秀賞を受賞。植村さんとチーフ・プロデューサーの石田望さんに桐野夏生委員長が話を聞いた。

植村 優香さん(うえむら ゆか)NHK報道番組センター
ディレクター

石田 望さん(いしだ のぞむ)NHK名古屋放送局
チーフ・プロデューサー

桐野 夏生さん(きりの なつお)テレビドキュメンタリー番組審査委員長

桐野

 最優秀賞おめでとうございます。

植村
石田

 ありがとうございます。

桐野

 出生前診断というテーマについては、以前から温めていた企画なのですか?

植村

 今回の様な番組にしたいという構想をしていたわけではないのですが、関心はずっとありました。

技術の進歩と検査のカジュアル化

桐野

 出生前診断でダウン症と診断された人の9割が中絶を選んでいること、皮膚科や美容外科が参入していることを番組を見て知り、びっくりしました。今まであまり取り上げられなかったことが不思議です。

植村

 中々、取り上げづらいテーマかもしれません。

桐野

 番組の中で、NPOの方が“タブー”だと仰っていましたね。

植村

 そうですね。赤ちゃんが生まれてくるまで色んな不安があって、それを解消したいという気持ちで受ける方がほとんどです。その方たちの気持ちも分かります。でも、障害があると分かったときにどうしたらいいのか、なかなか相談する人を見つけづらいようです。

桐野

 中絶を選ぶかどうか。確かに、人には言いづらいことではあります。
 出生前診断がカジュアルになったのはいつ頃からでしょうか?私がお産したときは、このような検査はなくて、本当にどんな子が生まれてくるか、生まれるまで分からない。皆、ドキドキしながら出産を待っているという感じでした。

植村

 日本では1960年代後半から羊水検査が導入されて以降、超音波診断の技術の普及や、90年代に始まった絨毛検査、母体血清マーカーなどさまざまな検査が広がってきました。特に、2013年に始まった新型出生前検査・NIPTは、流産のリスクがある羊水検査と比べて、血液だけで簡単に染色体の異常を調べられるようになり、急速に広がっています。

桐野

 世界的にも出生前診断が行われていて、これからは想像できない世界が広がるかもしれない。障害者がいなくなる世界になるかもしれない、ということですよね。
 私も近著の「燕は戻ってこない」を書いているときに色々調べました。それは、生まれてくる子が誰の子か分からないのでやきもきする、というのがテーマでもあったのですが、妊婦の血液検査で容易に分かると知って、大慌てで書き換えました。が、今度は双子は血液が混じり合うから診断できないということが分かり、また書き換えました。本当にこの分野の技術は日進月歩ですね。いずれ、双子でも分かるようになるかもしれないですし。
 障害の有無が遺伝子で分かるということについては、どうお考えですか?

植村

 今、分かる障害は限られていて、染色体由来などの障害が分かるだけで、例えば、発達障害や精神障害とかは分からないんですよね。なので、他の障害がある可能性は排除されないのに…というもやもやした気持ちが取材前はありました。でも、取材を終えて、今考えると、技術の進歩は止めようのないことですし、その技術をどのように使っていくのかということを考えていく方が良いのではないかという気がしています。

桐野

 確かにそうですよね。生殖技術はどこまで行くか分からないですけれど、技術は止めようもなく、それこそ人工子宮もできるかもしれない状況です。だからこれから先、新しい倫理、価値観などを考えていかないといけないのかもしれませんね。それが何か、というのは試行錯誤ではありますし、女性の側だけが担うのもおかしいと思います。

当事者たちの言葉の重み

桐野

 番組を見て、色んな立場の当事者の方に会って取材されているのは、とても素晴らしいと思いました。肉声は大事です。
 しかも、この番組は30分に凝縮されていることで、大変見やすく、なのに伝えるべき情報もきちんと入っていました。
 今回は良い作品がたくさん集まりましたが、選考委員全員がこの番組は傑作だと推され、すぐに最優秀賞に決まりました。尺が短いとか、そんなことは関係ないのだと思いました。実際、削られたところは多かったのですか?

石田

 最優秀賞のご連絡をもらったときは、びっくりしました。短い番組だったので。
 最初の編集では70分ぐらいありました。色んな方とじっくり対話していたので、残したい言葉がたくさんあったのだと思います。植村には中々切れなかったかもしれません。でも、大きな部分を落としたというようなことはないです。一緒に話しながらインタビューを短くしていった感じです。

桐野

 番組に出ていた方以外にも取材はされたのですか?

植村

 お会いした方はいるのですが、カメラを回したのは出ている方々だけです。
 インタビューの言葉がすごく重かったので、それを短くするのが私には難しかったです。

石田

 インタビューの内容をナレーションに変えたり、見やすくなる工夫をしていきました。

桐野

 手書きで文字が出てきますよね。あれは植村さんがお書きになったのですか?

植村

 そうです。

桐野

 あれは効果的でしたね。

植村

 そうですか。ありがとうございます。ナレーションも自分でしたので、ナレーションと自分の実感の部分の違いがつきやすいように実感の部分は手書きの文字を入れました。

桐野

 植村さんのご両親にもインタビューされていて、お母様から「もし出生前診断を受けて、ダウン症だと分かったら彩英はいなかったと思う」という言葉を引き出したのは驚きました。そういう正直な気持ちを引き出しつつ、最後の方で「今、彩英がいないと駄目」という言葉があって、すごく良かったと思います。

植村

 最初は誰に取材するか全く決まっていませんでした。病院とか海外のケースを取材することも想定していたんです。でも、まずは当事者に話を聞こうということになり、実際、当事者の方にお話を聞き始めたら、言葉のひとつひとつが重すぎて、この対話そのものを番組にした方が伝わるのではないかと。

桐野

 確かに“タブー”でもあるわけですから、お話しする方も随分ためらいがあったでしょうけど、生の言葉だからこそ、見る人にも重い問題だと伝わったと思います。
 ご両親はインタビューを受けることには協力的だったのですか?

植村

 母は不妊治療の仕事をしていることもあって、軽く意見交換することはあったのですが、改めてお願いするのは結構緊張しました。何を話すのか、テレビに出ることでリスクも発生するかもしれないので、そういう説明も含めて準備をしました。でも両親ともお願いしたその日にOKをくれました。

桐野

 植村さんの実感が全面に出てくるので、見ている人にも入りやすい番組になったと思います。

女性は孤独に。男性は疎外されている?

桐野

 ちょっと気になったのですが、インタビューされた方のご主人たちが、あまり出てこないですね。

植村

 そうですね。そこはもっと取材したかった部分ではありますが、一方で女性がひとりで抱えてしまっているという象徴でもあるかな、と今は思っています。

桐野

 確かにそうですね。

植村

 中絶をした後に苦しんでいる方は、ブログにその苦しい気持ちを書き綴っていて、でもそのブログのことは旦那さんにも言ってないんですよね。

桐野

 孤独感がひしひしと伝わってきました。やはり出産に関することは、女の人だけの問題になってしまうのですね。

石田

 試写を重ねながら、なんで夫は出てこないんだろう?というのはありました。どうしても女性のお腹の中に赤ちゃんが宿るということで、男性は相当想像力を働かせないと難しいのかと思います。どういう言葉をかけたらいいのか、遠慮ではないですけど、迷いが男性にはあるのかもしれないですね。
 番組の中で、若いご夫婦が「そもそも子供ってなんのために生むのか」というところまで考えたと言っています。あの言葉はすごいなと思いました。確かにそこまで突き詰めて考える、話し合うプロセスというのが大事なんだと。出生前診断というのは、話し合う時間がもてる機会にもなるのかなと感じました。

桐野

 なるほど。むしろ男の人が疎外されているのかもしれないですね。本当は自分も問題に加わりたいけれど、産むのはあっちだしと。

植村

 旦那さんは、最初は自分が意見してもいいか分からなかったと仰っていました。自分が産んで欲しいとか、産んでほしくないとか言っていいのかも分からなかったと。
 出生前診断をすると夫婦で決めたのであれば、本当は結果が陽性だったときにどうするか、ということをしっかりと話し合ったうえで検査するべきだとは思います。陽性が出た場合を想定せず皮膚科や美容クリニックで簡単に受けられてしまうので、実際、陽性だったときにパニックになってしまうケースが多いのだと実感しています。

桐野

 ある意味、手軽すぎるのですね。問題は重いのに、検査は簡単すぎる。

気軽さが女性たちを苦しめる

桐野

 中絶された方のインタビューの中で、小さな手形と足形がありましたが、そういうことが出来るのですか?結構大きくなっているということですよね。

植村

 母体保護法で22週未満までが中絶手術を受けられる期限と決められています。赤ちゃんとの対面を希望される方もいれば、希望せずに病院でお預かりしていただく方もいます。私が取材したお二人は対面されました。

桐野

 母子手帳には書いてもらえないから、自分で書いたとおっしゃってましたね。
 お墓もつくっているのですか?

植村

 家の中に小さな仏壇をつくっていらっしゃいますね。その気持ちは自分がそういう状況にならないと分からないんだろうなというのは感じます。赤ちゃんを諦めることを選んだけど、やはり子供のことが愛おしい気持ちもあるというのは、当事者にしか分からない気持ちなのかなと。

桐野

 そうなんでしょうね。その苦悩は伝わってきました。
 出生前診断について公的な機関の規制はないのですか?

植村

 医学会として指針は示されているのですが、法律で規制されているわけではないので、様々な機関がどんどん参入している状況です。

石田

 需要があるということでもあるんですよね。知りたいという人たちがいる。

桐野

 不安ですものね、妊娠したときは。どんな子が生まれてくるか。でも、その自由さ、気軽さが逆に女の人を苦しめているところもありますね。
 検査はいくらぐらいなんですか?

植村

 学会で認められている医療機関で受けると20万円ぐらいしますが、認可外のクリニックだと5万円~10万円で受けられるところが多いので、認可外のところに流れていってしまうという現状があります。

桐野

 結構いい値段ですね。妊婦さんがそういうところで搾取されているような気がしてしまいます。

植村

 そうですね。妊婦さんたちの不安を利用したビジネスとして、適切なフォロー体制のない検査機関が増えていると思います。

桐野

 心臓の疾患も分かるのですか?心臓に疾患の見つかったお子さんもいらっしゃいましたが。

植村

 心臓の疾患はエコーの検査で指摘されることがあります。首にむくみみたいなのがでるんです。そうなると、ダウン症の可能性もあるし、心臓疾患の可能性もあります。エコー検査も出生前診断のひとつという考え方なんです。生まれてくる前に赤ちゃんを何かしらで検査をする、診断をするということ全般を出生前診断といっています。

桐野

 血液検査だけではなく、エコーも含めてなんですね。エコーの精度も今はいいんでしょうね。

植村

 今は3Dで赤ちゃんの形が分かったりしますね。

桐野

 科学の進歩はすごいです。

どちらの選択も許容されるべき

桐野

 これから取材してみたいことはありますか?

植村

 引き続きこの問題は取材を続けたいと思います。状況はどんどん動いていますので。

桐野

 そうですね。この間もアメリカで中絶が憲法違反だと判決がでました。中絶権利擁護の大統領令が出ましたが、それでも、かなりの州が禁止になっている。それは、女性としては、権利の退行ではないかと思います。結局、妊娠出産がすべて、女性側の問題になってしまいますよね。その辺についてはどうお考えですか?

植村

 妊娠するのは女性ですし、中絶するにしても、出産するにしても体に負担がかかるのは女性です。障害のある子供を中絶するかどうかという文脈とは別で、女性の体を守るためには必要な権利だとは思いますね。

桐野

 全く同感です。なぜ逆行していくんだろうと、驚きました。
 LGBTQの方たちが卵子、精子を提供してもらって子供を作り、家族を作るとか、色んな事ができるようにもなっています。一方で、障害のある子供を事前に中絶することもできるわけですよね。そこには、迷いのないすっきりした世界があるのかもしれないけれど、色んなものを捨て去っていく怖ろしさを感じます。多様性と言われていますが、どうやってその多様性を確保していくかですね。

植村

 どのような選択をするのかということはそれぞれのものだと思います。でも一方で、多様性みたいなところは許されていって欲しいです。それが許されない、エリートだけの社会というのは一体誰が幸せになるのだろう?という気がします。

桐野

 本当ですね。選民だけが残っていくような気もしてちょっと怖いですよね。そこでも格差は出てくるでしょうし。

植村

 そう考えるとどっちの選択も許容されるべきだとは思いますが、生む選択をした人たちが責められることがあってはいけないと思います。これだけ出生前診断が広がっていると、障害のあるお子さんを連れていると「出生前診断を受けなかったの?」と言われる人がいるそうなんですよ。

桐野

 それは恐ろしいことです。

植村

 そういう武器にされると怖いと思います。

話し合うきっかけになって欲しい

桐野

 視聴者からの反応はいかがでしたか?

植村

 番組を1回見て、これは夫ともう1回見ます!と言ってくれた方もいました。彩英と同じ障害のお子さんを育てていたり、育ててきた方々からは、ご自身を私の両親に重ねていて、「障害が分かったときはショックだったけれど、少しずつかけがえのない存在になってきた」という手紙をいただいたりしました。私の同世代の友達も「彼氏と一緒にみて話し合うきっかけにした」と言ってくれて、すごくうれしかったです。
 多様性という言葉が広がりつつも、一方排他的な雰囲気が広がっていることに対して“もやもや”を抱えている方もいたようで、そこに対して、「大切なメッセージを伝えてくれてありがとう」と言ってくださった方も多くいました。

桐野

 よかったですね。これが正しい、というものはない。それなのに、女性だけがひとりで悩んで、責任を担っているという苦しみを感じます。そこをすごく表していた番組だったと思います。

植村

 取材を受けてくれた方からも、色々話す中で気づいたのは、「中絶という選択自体を後悔しているのではなくて、中絶という選択をするまでのプロセスを後悔している」と。夫婦で話し合う時間を取れなかったり、十分な情報を集められなかったことだったり。

桐野

 やはりずっと自分を責めておられるんですね。

植村

 結果は同じだったかもしれないけれど、色々情報を知ったうえでの決断であるのと、ひとりで焦って決めた決断では、同じ決断でもその後が違うのかと思いました。

桐野

 この問題はタブー視するのが一番よくないと思います。

石田

 議論できる場をつくれるといいと思います。

植村

 番組を見て、ご夫婦やご家族で話し合うきっかけになったらいいなと思っています。

桐野

 最後に、植村さんが妊娠されたときは出生前診断を受けますか?

植村

 取材を始める前は、正直分からなかったんですよね。どちらかというと、出生前診断って怖いというイメージが強かった。取材を終えて、出生前診断は中絶を選ぶためだけのものではない、ということが理解できて、生む選択をする人にとっても迎え入れる準備ができる診断だと感じたので、受けることについてはネガティブな感情はなくなったのですが、実際、その時にパートナーと話し合って決めることかなと思います。

桐野

 選択肢が増えているわけですからね。私が妊娠したときとは全く想像できない世界で、より世界は合理的になっているんですね。合理的な判断ができるようになりつつあるんでしょうけれど、そうすると今後はプロセスが大事になってくるわけだし、本当に難しいことですね。何が正解か、私にも分からないことです。
 彩英さんが生き生きとして皆に愛され、仲睦まじい家族がいるという現実がある。そして、ダウン症の方を支えるシステムもあることが最初に分かっていれば、少しは違うと思うんですよね。自分も育ててみたいとか、折角授かった命なのだから、と思う人もいると思います。情報は不足していますね。

植村

 私の両親も最初はどん底で、これから不幸になるんだという気持ちがあったみたいなんです。今はそんな雰囲気はどこにもなく、ただ普通の家庭になっているので、受け入れていくのにも時間はかかるし、時間をかける中で幸せはどんどん大きくなっていくこともあると思います。でも、その時間をかけられない中で決断しなければいけない、というのが問題なんだと思います。

桐野

 はい。常にタイムリミットがあるというのが問題だと思います。
 出産には年齢的なものもありますから。それなのに、今、少子化と言われて、子供を産み育てることが美徳みたいな雰囲気もあるじゃないですか。そういう中で、一方では生殖医療が発達しているわけだから、問題はたくさんあると思います。

植村

 この分野は色んな技術が出てきたり、変わっていくと思うので引き続きウォッチしていきたいなと思います。

桐野

 植村さんにしかできなかった番組だと思いますので、これからも頑張ってください。ありがとうございました。

プロフィール

植村 優香 さん (うえむら ゆか)
NHK報道番組センター ディレクター
1995年福岡市生まれ。2017年にNHK入局後、名古屋局を経て現在は報道番組センター所属。名古屋局では、日系ブラジル人の取材を元に『クローズアップ現代+ 60代の孤独死 団地の片隅で~外国人労働者の末路~』『BS1スペシャル ワタシたちはガイジンじゃない!日系ブラジル人 笑いと涙の30年』などを制作。現在は、「おはよう日本」でウクライナ避難民や地球環境問題など様々なテーマで特集企画を制作。

石田 望 さん (いしだ のぞむ)
NHK名古屋放送局 チーフ・プロデューサー
2000年にNHK入局後、盛岡局や仙台局、報道番組センターを経て現在は名古屋放送局所属。東日本大震災のあった年、仙台局に赴任し震災報道に携わる。『NHKスペシャル 38分間~巨大津波 いのちの記録~』(第38回放送文化基金賞テレビドキュメンタリー本賞)などのドキュメンタリーや『NHKスペシャル シリーズ東日本大震災 追跡 復興予算19兆円』(第39回放送文化基金賞テレビドキュメンタリー奨励賞)などの調査報道に参加。

桐野 夏生 さん (きりの なつお)
テレビドキュメンタリー番組審査委員長
作家。1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頰』で直木賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、11年同作で読売文学賞を受賞。15年紫綬褒章受章。21年日本ペンクラブ会長に就任。近著に『インドラネット』『砂に埋もれる犬』『燕は戻ってこない』など。