放送文化基金賞
第50回放送文化基金賞「個人賞」の受賞のことば
表彰番組を対象として、その番組に携わった個人に贈る賞です。
演技賞
河合優実「NHKスペシャル シリーズ“宗教2世” 神の子はつぶやく」

賞をいただき、ありがとうございます。
『神の子はつぶやく』は、真摯で心ある作り手の方々のリサーチや取材が長い道のりをたどり、みなさんの尽力の結果こうしてひとつのドラマとして完成した作品です。このプロジェクトが持つ力に私たち役者がきちんと共鳴できるような環境を整えて下さったスタッフの皆さんと、あの時、共にひとつひとつの瞬間を真剣につくりあげて下さったキャストの皆さんに心より感謝します。
これからも、自分がお芝居の力を持って世界に対して何ができるのか、考え続けていきたいと思っています。
演技賞
阿部サダヲ「金曜ドラマ 不適切にもほどがある!」

第50回。これまでステキな俳優の方々が受賞している栄誉ある賞を『不適切にもほどがある!』で頂けた事、とても嬉しく、光栄に思います。ありがとうございます。
プロデューサーの磯山さん、脚本宮藤さん、監督金子さんチームの元で初めて主演というプレッシャーを感じながら、優しいキャストの方々と楽しくお芝居が出来た幸せな期間でした。
頂いた賞を励みに、これからもいい演技が出来るよう精進して参ります。この度はありがとうございました!
映像賞
高倉天地 鷹を継ぐもの

映像表現の一つの意義は、映像を通じて「この世界は美しい」ということを再認識することだと考えています。
今作の舞台となる山形県田麦野は、自然豊かで四季折々の美しい風景が特徴です。天気や時間によって光が目まぐるしく変わり、様々な表情を見せてくれます。光を読み解き、風景、鳥、人が魅力的に映るよう試行錯誤しました。
映像を通じて、皆様が少しでもこの世界が輝いて見えるようになったら幸いです。
企画賞
賀来賢人 Netflixシリーズ 「忍びの家 House of Ninjas」

作品を代表して、このような名誉ある賞を頂き大変光栄に思っております。
我が子の様な作品に関わってくださった全てのスタッフキャストの皆様に心から感謝申し上げます。
皆様の愛と情熱と本気が世界に確実に届いた事。私は嬉しく、誇らしいです。
そして素敵な受賞は何よりも励みになります。
この経験を糧に、今後も皆様のお目にかかれるよう、より一層映像制作に邁進したいと思っております。
企画賞
松田 望 ななまるテレビ 「今日、解決はしないけど。 ―熊本で生きるわたしたちのテレビ―」

この企画を考えたきっかけは、私がここ数年テレビの仕事をしながら抱いていた違和感でした。
激しく変化する社会の流れの中で、自分を含めたテレビがいつの間にか“わかった顔”をしていないか―その違和感を中心に据え、かつエンターテインメントとしても楽しめる番組を作ってみたい―。
そんな私のふわっとした構想を、ともに熱意をもって形にしてくれた出演者・スタッフの皆様に心から感謝します。私はテレビが大好きです。
今回の受賞を励みに、自分に何ができるのか考え続けたいと思います。
パーソナリティ賞
栗原 望 みんなでひきこもりラジオ

『みんなでひきこもりラジオ』には、多くのメッセージや手紙が届きます。
死にたいほどの辛さ、これまで語られてこなかった思いです。その言葉に対して、何も言えない。アナウンサーとしての無力感が出発点です。だからこそ「聞く」ことに徹してきました。
放送では、顔も名前もわからない誰かの声に、別の誰かの声が重なります。
「番組を聞き一人じゃないと感じた」という声があふれ、今、番組は居場所にもなってきています。
番組を育て、ともに声を聞いてくれたリスナーの皆様に感謝申し上げます。