放送文化基金賞

第45回

第45回放送文化基金賞「【番組部門】個人賞」の受賞のことば

演技賞

桃井かおり NHKスペシャル 詐欺の子

頂いた台本と、監督から手渡された有り余るほどの資料には、今まさに向き合っている現実と、切実な痛みがありました。
「これは今、作らなければいけないもの(TV)です」そんな話になりました。
ドキュメンタリーには力があり、加害者という実感を持てない若者たちがリアルでした。
「彼らに、いやこれからの彼らにも、言われない災難に巻き込まれている被害者のこの痛みを知ってもらわなければなりません」
現場はまるで事件の中に入りこんだように撮影されていきました。
その中で生まれてくる感情を監督は紡いで、私は被害者の思いを体感していくような作業でした。
一番役者というものに清純に向かい合いたい今、出会いたかった現場でありました。
この賞をあの現場のみんなで頂きます!
ありがとうございました。
本当に見ていて下さってありがとう。

演技賞

濱田 岳 ドラマ24 フルーツ宅配便

フルーツ宅配便というお店には、狡猾な女性はいませんでした。
一生懸命生きている方ばかりだったと思います。
だからでしょうか、フルーツ宅配便で働いている、ミスジさんをはじめとしたスタッフ、このドラマを作った、監督、スタッフ、キャスト、は彼女達のために一生懸命働けたんだと思います。
本当に僕達に、大変名誉な素敵な賞をありがとうございます。

演技賞

広末涼子 ラジオドラマ 「ストリッパー物語」

この作品のラジオドラマ化を実現して下さったこと、そして私をキャスティングして下さったこと、収録を通してつかさんの作品に関わり、愛する人々との再会を果たせたこと…
既に、たくさんの感謝の気持ちでいっぱいだったのに。まさか、賞をいただくなんて。
改めて“つかこうへい”という人は、私の中、そして私の女優人生の中で、生き続ける方なのだな、と実感いたしました。
つかさん、そして杉田さん、私に素晴らしい経験を与えて下さり、的確で情熱的なご指導をして下さり、私に女優業の魅力を教えて下さったことに、今更ながら改めて感謝します。本当にありがとうございます。

企画賞

長嶋 愛 ETV特集 静かで、にぎやかな世界 〜手話で生きる子どもたち〜

学校に入った瞬間、「何て楽しそうなんだ!」と子ども達に惹きつけられました。この生き生きとした世界を、映像だけで伝えたい!と思ってロケを始めたものの、実は最後になってナレーションなしで良いか迷いました。音のある世界にいる人達に、見てもらえるか自信がなかったのです。私自身が、音のない世界に慣れっこの難聴者だからです。迷いをかき消してくれたのは、一緒に番組を作った制作チームでした。視点の違う者同士が共に仕事をすることで生まれた番組です。全ての方に感謝しています。

脚本賞

高田 亮 NHKスペシャル 詐欺の子

この作品に参加させていただき、オレオレ詐欺のことを何も知らなかったと思い知らされました。
親のことを思い、十代の頃の自分を思い、子供のことを思いながら書いた脚本ですが、それは川上剛監督の猛烈な取材資料のおかげでできたものですし、川上監督のアイディアや撮影現場で生まれたセリフも数多くありますので、本当に皆様のおかげですとしか言いようがありません。ありがとうございました。

企画賞

樅野太紀〜両親ラブストーリー〜 オヤコイ

「両親がどこで出会いどのように恋に落ち自分が生まれたのか?」そんな一番身近で一番遠い恋物語をドラマにして見せれば芸能人の新たな顔を引き出すことができるのではないか?そんな思いからこの番組を企画しました。今回、このような賞を頂きこの上ない喜びです。これを機に私の両親の恋物語を取材してみようと思います。この番組に携わって頂いた全ての方に感謝を申し上げます。

関連記事を見る

私たちについて

詳しく見る

財団情報

詳しく見る