放送文化基金賞

第41回

第41回放送文化基金賞「【番組部門】個人賞」の受賞のことば

演技賞

柄本 明「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 坂道の家」

ありがとうございます。大変うれしく思っています。この仕事は台詞という書いてある言葉を云う仕事でありますが、なかなかうまく云えません。だから何度も何度も云いますがそれでも中々難しい。坂道の家は暑い時の撮影で文字通りの坂道でスタッフ、キャストフーフーしながら頑張りました。頑張ったご褒美に代表してこの賞が頂けたんじゃないかと思っております。鶴橋監督、池端先生、尾野真千子さん鶴橋組スタッフキャストに感謝。
ありがとうございます。

演技賞

宮沢りえ「連続ドラマW グーグーだって猫である」

とても、愛おしいと思える作品「グーグーだって猫である」が、素敵な場で、讃えてもらえた事を嬉しく想います。
大島弓子先生という素晴らしい、稀有で、偉大な表現者を演じる事には、ちょっぴり尻込みしましたが、犬童監督が導いてくださるハッキリとした輪郭のある道へ向かって、スタッフ、キャストと伴に歩めた事は本当に素敵な時間でした。
嫉妬するくらい監督を感動させた、奇跡を起こす猫たちとの時間も、まこと、忘れる事はできません。ハードな撮影でもありましたが、井の頭公園の季節の移り変わりに英気を養い、ゾウの花子に感動し、横丁の魚屋さんに懐かしさを貰ったり、、、と、この文を書きながら蘇る事いっぱいの作品です。
受賞を機会に、この作品を観てみたいと想ってくださる方、改めて引っ張り出してくださる方が、いらっしゃいますよーーに。願っています。
素敵な賞をありがとうございます。

演出賞

石原大史「薬禍の歳月~サリドマイド事件・50年~」

今回の受賞は、取材に応じてくださった皆さんの言葉の力によるものだと思います。被害者の皆さんは、これまで心に秘めてきた怒りや葛藤を、カメラの前で語り尽くして下さいました。人生の意味を繰り返し問うてきた50年もの歳月。それが、番組を見てくださった人たちの心を打ったのだと思います。私たちは、その力に、時に圧倒され、時に励まされながら番組を制作しました。その過程は、私たちもまた、「自分達は何者であるか」を問われる時間であったように思います。

構成作家賞

樅野太紀「しくじり先生 俺みたいになるな!!」

まずお伝えしたいのは、今回私の名前で授賞させて頂きましたが、実際は番組スタッフを代表して頂いた賞、ということです。「しくじり先生」という番組を制作することで、最初に考えたことが「新しい見せ方はないか?」ということ。反面教師バラエティーという普通に制作するとどこにでもある番組になってしまいがちなテーマ。そんな時、会議でフリーのディレクターから出たアイデアの種を、みんなで練り“教科書での進行”という番組オリジナルの見せ方ができあがりました。今後とも熱のあるスタッフとともに愛のある番組制作を続けていきたいと思います。

企画賞

島袋千恵美「RBCiラジオスペシャル 学童疎開船・対馬丸撃沈70年」

対馬丸に乗らずに生き延びた父から預かった「命のバトン」をどう繋いでいくか、番組を制作しながら深く考えさせられました。最近は、二人の子どもを連れ、県内の平和祈念館や慰霊碑などを巡っています。小さい彼らにはまだ理解は難しいようですが、彼らに繋がる「命」の歴史を伝え、その「命」を精一杯生きてほしいと願い、その環境を整える…それが、母として今の私ができる「バトン繋ぎ」の一歩だと考えています。
取材に応じて頂いた皆様やスタッフに改めて感謝を申し上げます。

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