HBF 公益財団法人 放送文化基金

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HOME放送文化基金賞受賞のことば 第49回 ラジオ部門

放送文化基金賞

受賞のことば 第49回 ラジオ部門

最優秀賞

講談風大河ラジオドラマ
弁慶記

(FM TANABE)

 和歌山県田辺市は、源義経に仕えた武蔵坊弁慶の出生の地と伝わっています。このラジオドラマは、コロナ禍に苦しむ地域社会の皆さんに、地元の偉人である弁慶さんの雄姿をお届けし、前向きに日々を過ごすきっかけとしていただくことを目的に、社員4名による「弁慶記制作実行委員会」にて企画されました。
 制作にあたっては、語りの伝統芸能である講談のお力をいただきました。脚本への深い理解と洞察を持って演じてくださったメインキャストの皆様、お祭りに参加するような明るさでセリフを読んでくださった地域出演者の皆様が、ドラマに生き生きとした魅力を与えてくださいました。
 「弁慶記」をお聞きいただき、応援してくださった皆様に心から感謝申し上げます。
FM TANABE 大﨑健志

優秀賞

きたやまおさむ
「イムジン河」スペシャル
〜音楽は時代を超える〜

(ニッポン放送)

上柳昌彦さん

 2021年、コロナ禍で分断が起きていた時期に始まった「イムジン河 2022年新録音バージョン」構想。制作が本格化する2022年には、世界ではロシアによるウクライナ侵攻が起きていました。
 50年以上前からこの歌に込められている「音楽は国境を越える」という想いを番組骨子にすえつつ、「新たな分断が起き、平和が脅かされる今の時代にこそ届けたい」という想いを込めて「音楽は時代(とき)を超える」というタイトルをつけました。
 出演アーティストからは「好きな音楽を聴けて、歌えることが平和」といったコメントも頂戴しました。私自身、戦争を知らない世代だからこそ、歌い継ぎ、語り継ぎ、平和や心への想いを大切に、今後も番組制作して参ります。
ニッポン放送 長濵 純

奨励賞

音で綴る復帰50年
「民の謡 島に息づく琉球民謡」
「沖縄のお笑い 〜そこに込められた想いを辿る〜」

(琉球放送)

左から森根尚美さん、宮国宏美さん

 戦後の混乱の中で、立ち上がる原動力の一つとなったのが琉球の歌。
 「歌は時代を映す鏡」哀しみも喜びも「謡」に託し、幾多の困難の時代も乗り越えてきました。「本土復帰」もそのひとつ。激動の時代を生き抜いた先人達に感謝し、次世代にもきっと繋がります。琉球民謡には沖縄の文化そのものが宿っています。
琉球放送 森根尚美

 そこら中に「復帰50年」という言葉が飛び交っていましたが、沖縄は決してお祝いムードだけではありませんでした。沖縄のお笑いを通して見た復帰50年は、うちな〜んちゅが守ってきたもの、失ったもの、喜び、悲しみ、そして、いい意味でも悪い意味でも受け継がれたものが凝縮されていたように思います。「ヌチヌグスージサビラ(命のお祝いをしましょう)」!
琉球放送 宮国宏美