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放送文化基金賞

受賞のことば 第42回【個人・グループ部門】放送文化

●さだまさし(シンガーソングライター、小説家)

多才な活動を通して放送文化の発展・向上に貢献



 歌を作り、歌を歌い、小説を書き、随筆を書き、テレビやラジオで喋り、また歌う。随分短い時間のような気もしますが果てしなく長い時間同じ事をやってきた気がします。世の中の正邪も自分の道の正誤もわからず、ただひたすらに目の前にある僅かばかりの光に向かって歩き続けてきました。もう十分だ、という思いと「日ぐれて道遠し」の感との狭間でまだまだ納得できない「おのれの仕事」と向かい合っています。そんな僕を褒めてくださってありがとうございます。心強いエールを頂きました。まだまだ走ります。

●藤井 稔(CBCテレビ プロデューサー)


優れたドキュメンタリー番組の制作と放送表現の開拓

 大概、こういう言葉はお世辞なのでしょうが、私は真剣に会社に感謝しています。何せ、どう見ても番組になどなりそうにもない風変わりな私の企画書を幾つも番組にすることを許す懐の深さがあるんですから。いつもすごく少ない数のスタッフで、しかもいつも同じスタッフで番組を作っています。わがまま放題の私に付き合ってくれて本当にありがとうございます。そして、何より強引で超しつこい私の取材に応じてくれた、どこにでもいそうで、でも、かけがいのない普通の人々に大変感謝しております。

●「被災地からの声」制作チーム(NHK仙台放送局)

震災直後から5年間にわたるウィークリー番組「被災地からの声」の制作


越中 良介さん、津田 喜章さん

 目立った構成もナレーションもないこの番組の核心は、人間の声そのものです。被災地に行き、初めて出会った方と言葉を交わし、やがて会話が深まり、身の上や本音を語りだす・・・気づけばすぐ、半日が過ぎています。身内を亡くし、家や財産を失い、放射能に故郷を追われても、“生きる”人々。想像を絶する苦しみの中でも、被災地の方々は初対面の私たちに優しく接し、撮影に協力してくれました。出演した3300人以上の方々に、いま改めて感謝の思いを強くしています。
NHK仙台放送局 津田喜章

●NHK「ハートネットTV」班 戦後70年関連 制作チーム(NHK)

福祉の戦中戦後を振り返り、未来を考える一連の番組制作


熊田 佳代子さん、渡辺 由裕さん

 「福祉」というと、「まじめ・堅い」「自分とは関係ない」というイメージで捉えられがちですが、今や超高齢化や格差、貧困など誰にとっても、‘生きづらさ’が身近になる中、「福祉」の重要性が時代の真ん中に押し上がってきているように感じます。今回の受賞も、こうした時代に福祉における放送の役割が評価されたものと、身が引き締まる思いで受け止めています。これからも、諸先輩方が積み上げてきた取材や知見を大切に、若い仲間たちと精進したいと思います。
NHK 熊田佳代子