概要

災害状況を正確に理解して避難行動に繋げるために、報道が果たす役割は大きい。しかし、報道を通してヒトがどのように災害状況を「自分ごと」として捉えているのかについて、その機序は十分に理解されていない。実験心理学的研究では、災害などのサバイバル状況を想定して学習された記憶が促進される「サバイバル効果」が知られている。本研究では、サバイバル効果のパラダイムを用いて、映像と音声によって災害状況をどのように自分ごととして理解するのかについて、その基盤となる神経機構を機能的磁気共鳴画像法によって明らかにする。

助成を受けた方の言葉

ヒトを対象とした認知神経科学は、認知機能の基盤となる脳のメカニズムについて、機能的磁気共鳴画像などの脳機能画像の技術を用いて検証する分野です。私は特にヒトの記憶に関わる認知神経科学研究に長年従事してきました。そのような研究者である私にとって、放送文化基金に応募するきっかけとなったのは、放送現場でアナウンサー・気象予報士として活躍している大学院生と一緒に進めてきた研究でした。今回の応募を通して、報道における「伝え方」という定性的な見方に対して、脳データから定量的にアプローチできたらと思っています。

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