概要

1955年に開始された朝日放送ラジオ番組「ABCこどもの歌」は、のちに童謡作家となる阪田寛夫によって企画・制作された番組ですが、11年もの間、数多くの新作の子どもの歌を放送した稀有な番組といえます。本研究では、この番組で放送された一連の歌の特徴を分析し、楽曲・番組をめぐる言説の定量的調査をおこなうことで、ラジオを通じて創作された子どもの歌の諸相を明らかとします。番組の実態把握から、日本の子どもの歌の歴史において草創期の民放ラジオが果たした役割を検証することを目的とします。

助成を受けた方の言葉

以前から私はラジオ・テレビを介した子どもの歌について一連の研究をおこなってきたのですが、今回着目したのは70年前放送されていた民放ラジオ番組の子どもの歌です。当初その実態を掴むのは容易ではないと思いましたが、番組が配布していた楽譜を発見し、数多くの歌が創作された事実がわかりました。ラジオ放送開始100年を迎えた今、子どもの歌を放送したラジオ番組の実態把握を通じて、制作者でもあった阪田寛夫さんはじめ作家らの功績を改めて確認するとともに、草創期の民放ラジオがメディアとして子どもの歌の形成に果たした役割とは何かを考えたいと思います。

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