概要

安部公房は小説だけでなく、映画、演劇、テレビ、ラジオなど、様々な媒体の作品を手がけた作家であり、ラジオドラマにおいては1950~60年代に旺盛な活動をみせ、高い評価を受けています。本研究の目的は、複数の媒体で活躍した安部が手がけたラジオドラマの考察を通じて、そのメディア横断的な活動の諸相を詳らかにするのみならず、安部が模索したラジオドラマにおける聴覚表現の可能性とラジオ放送のありうべきかたちを見いだすことで、文学をはじめとする他分野とラジオドラマとの影響関係の一端を明らかにすることにあります。

助成を受けた方の言葉

まずは放送文化基金の皆さま、審査委員会の皆さまにあらためて御礼申し上げます。私が研究の対象とするラジオドラマは、ラジオ放送という、その受容を聴覚のみに依る新たなメディアに適応し、数多くの実験と挑戦によって聴覚表現の可能性が開拓されてきたジャンルです。ラジオドラマの足跡を探求することで、これからも変化し続けるであろう多様なメディアにどのように相対していけばよいか、そのヒントを見つけることができるかもしれません。本研究が「放送文化」の輪郭を問い直し、押し広げうる実りあるものとなるよう尽力してまいります。

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