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昭和49年(1974年)度から現在まで当基金が実施した助成の対象全てを検索できます。

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放送文化基金の平成24年度の助成対象が決まり3月8日、東京・平河町の海運クラブで助成金贈呈式が開催されました。贈呈式は前年度と同様、第1部研究報告会、第2部助成目録贈呈、そして懇親会の3部構成で行なわれました。 |
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第1部 研究報告会
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第1部の研究報告では、平成23年に助成、研究したプロジェクトのうち、技術開発部門から、慶應義塾大学文学部 准教授 川畑秀明さんが、『脳は美をどう感じるか〜アートの脳科学』と題して、脳がどのように美を感じるのかを、美や芸術に対して応答する脳の働きや構造を実験結果とともに発表。メディアや情報端末の普及により、作品を自由に持ち運び、様々な知識を得ることができ、芸術作品に接することの在り方自体が変化している現代社会での実用的な側面として美を感じることや芸術に接することがどのようなことに役立つのかという問題についても研究成果を報告しました。
人文社会・文化部門からは、GCN(Gender and Communication Network)共同代表 谷岡理香さん(東海大学文学部 准教授)が、『「企業ジャーナリスト」のライフコース』の研究成果を報告。複雑・多様化した現代社会において報道に対するニーズも多岐にわたるが、果たして報道の担い手である人材に多様性は見られるだろうか―――、報告会では、30名を対象にロングインタビューを行ったという調査の概要、そして分析の結果、明らかになってきた「企業ジャーナリスト」のライフコースについて、ジェンダー差、世代差、キー局と地方局の差異等を中心に報告しました。 |
報告@ 技術開発部門(平成22年度助成) |
『脳は美をどう感じるか〜アートの脳科学』
慶應義塾大学文学部
准教授 川畑秀明 氏
美とは何か、芸術とは何か、これまで歴史に名を残してきた芸術家がなぜ偉大なのか、創造力の源泉はどこにあるのか──これらの美や芸術に関する問題について、近年では脳や心の学問からの接近が試みられている。本報告では報告者の近年の研究をもとに、3つの視点から、美や芸術と脳の関係についてまとめた。... ⇒つづきを読む |


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報告A 人文社会・文化部門(平成22年度助成) |
『「企業ジャーナリスト」のライフコース』
GCN(Gender and Communication Network)
共同代表・東海大学准教授 谷岡理香 氏
2009年GCNは、国際女性メディア財団主催の「メディアにおける女性の地位国際調査」(世界約60カ国参加)に日本担当として調査にあたった。どのメディア企業においても人事責任者は、男女の待遇は平等であると答えている。それにも関わらず日本のマスメディア組織では女性の割合は2割止まりであり、女性の参画率は世界最下位クラスである。複雑多様化した現代社会において、報道の人材にも多様性が求められているのではないか。... ⇒つづきを読む |


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第2部 贈呈式
第2部の助成目録の贈呈では、はじめに塩野理事長が、「今年は、日本でテレビ放送が始まってから60年という節目。加えて、テレビ放送が完全にデジタル化された今、改めて放送の果たすべき役割を考える時が来ています。テレビ、ラジオをはじめとするメディアの役割や存在意義を考え、技術開発、研究、調査、事業を進めることは、すなわち放送文化の発展を各分野で支えて行く意味からも、期待するところは大きい。それぞれの分野で是非、優れた成果をあげていただきたい」と挨拶。引き続き、「技術開発」の羽鳥光俊審査委員長と「人文社会・文化」の黒崎政男審査委員から今回の審査について概況報告がありました。 |
平成24年度は、技術開発27件、人文社会・文化72件の合わせて99件の申請があり、審査の結果、技術開発11件、人文社会・文化31件の合わせて42件、総額5,500万円が採択されました。助成対象に選ばれた1人1人に塩野理事長から目録が手渡され、これを受けて、東京大学大学院情報理工学系研究科 講師 中山英樹さんと慶應義塾大学 法学部 非常勤講師 原麻里子さんの二人から夫々、部門を代表して挨拶がありました。
今回の助成金贈呈式は、第1部、第2部通してのべ130人の方に出席して頂きました。 |

技術開発部門の代表
中山英樹さん |

人文社会・文化部門の代表
原麻里子さん |
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▼今年度採択された研究・事業の特徴
●技術開発
技術開発の審査は、1月11日に専門委員会、1月18日に審査委員会が開かれ、11件を採択しました。
採択率は、申請件数27件に対して40.7%。
助成金は前年同額の2,200万円で、1件あたり120万円から260万円、平均200万円になりました。前年度に比べ申請件数が減り、採択件数も減ったことから1件当たりの平均助成額は50万円程多くなりました。
内容的には、インターネットの発達やデジタル化の進展によりコンテンツの多様化が進む中で、番組の自動推定に関する研究・開発「テレビ番組の推薦・提示技術に関する研究」、若手による斬新な研究と評価された「映像コンテンツのターゲット視聴者層の自動推定に関する研究」など。
また、2次元高精細画像が与える「立体感」の要因を、心理的、物理的に解明しようとする試みも成果が期待されています。
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●人文社会・文化
人文社会・文化の審査は、1月16日に審査委員会が開かれ、31件を採択しました。採択率は、申請件数72件に対して43%。助成金は前年度と同じ3,300万円で、1件あたり10万円から230万円、平均106万円になりました。
内容的には、東日本大震災に関連した研究、放送の法制度・倫理に関する研究、テレビが視聴者に与える影響に関する研究への助成申請が多く寄せられ、その中から、「被災地に流れた音楽―東日本大震災におけるラジオ放送を中心に」や6月の参議院選挙を控えて「テレビの選挙報道が有権者の感情と投票意向に与える影響のメカニズムの研究」などが採択されました。
テレビ放送60年を迎える今年、アーカイブ関連の研究も多く、日本平和学会の「平和研究・教育における映像資料活用のための基礎的調査研究」や「戦後障害児保育・教育における実践記録映像のアーカイブ化に関する研究」などが採択されました。
また、「アニメの人材育成に関する日中比較文化研究」や「メディアを通した国際連携(ICoME2013)の開催」、「東京TVフォーラム2013の開催」など国際的な研究や事業が10件採択されました。
このほか、今年度は、放送文化の研究者育成という観点から若手の研究者ら2名への助成も決定しました。 |
助成対象に決まったプロジェクトは、今年4月から来年3月までの一年間、研究、開発、調査、事業等を実施し、報告をまとめることになります。
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