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第34回 放送文化基金賞 受賞のことば
【番組部門】●個別分野  
【出演者賞】香川 照之 
「鬼太郎が見た玉砕」の演技
 撮影前に実際にお会いした水木先生の激動の人生に畏怖を感じ、ただもう先生に失礼があってはいけないと一杯いっぱいだった私自身の至らぬ目からすれば、限られた時間を無制限に延ばしながら演者たちの迫真の芝居を紡ぎ出した演出の柳川強、常夏のパプア・ニューギニアで上空三十メートルから落下した椰子の実の直撃を右腕に受けながらもキャメラを離さなかった撮影の毛利康裕、そんな彼らを強靱にサポートした全てのスタッフ陣、そして何より、左腕を失いながら気丈に明るく生き、家族を養い、後生に偉大な功績を残した水木しげるという稀有な偉人に心から拍手を送りたい。おめでとう。この受賞は、ただただあなた方のものです。深謝。

【出演者賞】山野井 泰史(やまのい やすし)/山野井 妙子(やまのい たえこ)
NHKスペシャル 夫婦で挑んだ白夜の大岩壁の出演
 登山を長くやってきましたが、必ず聞かれる質問は「なぜ登るのか」です。そんな時、僕らはいつも「面白いから。楽しいから」としか答えようがないのです。登山は世の中にとって全く無意味な行為です。それでも僕らは30年近く、それにエネルギーを注ぎ、時には命も掛けてきたかもしれません。本来、大岩壁を登るクライマーを一般の人々が目にする機会はほとんどないと思います。しかし今回のグリーンランドのクライミングの映像では美しい大自然の中、意味のない行為に本気で楽しみ、そして葛藤している僕らを見てもらえたかもしれません。この度はありがとうございました。

【制作賞】山川 悦史(やまかわ えつし)
「85歳のアスリート」の制作
 正直「優秀賞」に驚き、さらに「制作賞」に戸惑いを隠せません。それは、取材対象者が父親であり、身内の話を番組にしたからです。制作にあたりどれだけ客観的になれるかを念頭に置いて臨みました。取材を進める中、私が知らなかった苦労話がでて、ますます両親が好きになった事も事実です。
 またイタリアでの競技に実況を加えることで、映像が浮かぶ演出を心がけました。さらにFM局としてオリジナル楽曲を挿入することでFMならではの効果も狙いました。このような素敵な賞を家族で受賞できる喜びに感謝しています。

【演出賞】NHK名古屋放送局 柳川 強(やながわ つよし)
「鬼太郎が見た玉砕」の演出
 水木しげるさんは、自伝戦記漫画『総員玉砕せよ!』のあとがきで、「僕は戦記物を書くとわけのわからない怒りがこみ上げてくる。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う」と述べています。
 私達は、そんな「わけのわからない怒り」を忠実に映像化出来ればという野心を持ってこの作品に挑みました。結果的にどこまで迫る事が出来たかは、未だに疑心暗鬼ではあります。が、この賞を励みと受け止め、今後もそんな「わけのわからない何か」を映像として具現化出来るよう頑張りたいと思います。

【映像賞】根本 隆(ねもと たかし)
     高橋 克昌
(たかはし かつまさ)
     田村 幸英
(たむら ゆきひで )
「夫婦で挑んだ白夜の大岩壁」の映像
 撮影上の問題は、その舞台が高さ1000メートルを超える大岩壁の中だということでしたが、高度感、恐怖感までをも視聴者に共有してもらえたらとの思いで、頂上までの登攀に密着取材することを決意しました。
 絶壁の中での撮影ノウハウは、今回二人と共に頂上を目指した山岳ガイドの木本氏のアドバイスをもとに練り上げました。気が遠くなるような高度感、度々襲ってくる落石の恐怖…撮影の現場は想像以上に過酷なものでした。しかし、彼らに寄り添ってさえいれば、ファインダーを覗くだけで素晴らしい光景を撮影することができ、マイクを向ければ命がけで挑戦する人間の真剣な言葉が聞こえてくる。それはカメラマンにとって、非常に過酷な中にも幸せな現場でした。今回、このような高い評価をして頂き大変光栄です。あらためて快く取材に応じてくれた山野井夫妻に感謝いたします。