※このページは2015年2月以前の内容です。»HBFのあゆみに戻る

入選作品一覧 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 企画選奨トップ |



 設立20周年を記念して発足した事業で、日本をふくむアジア全域の放送局、番組制作会社、番組制作者を対象にテレビドキュメンタリー番組の企画を募集し、優れた企画に対して番組制作費として奨金を贈呈しました。
  募集した企画の内容は、「アジアの今をとらえたもの」で、これまでに5回実施し、計769件の応募があり、18件の企画が入選しました。入選企画が作品として完成し、すでに放送されたものもあります。
  この事業は、ほぼ隔年ごとに行なってきましたが、2001年度に実施した第5回企画選奨で入選した4企画のうち、作品として完成した国内・2作品の上映会を開催いたしました。
 上映会の概況 2003.3.1(土)千代田放送会館
 
  当日は、朝からの寒い雨にもかかわらず、放送関係者を含む一般視聴者、学生など約160名の参加がありました。

<プログラム>

○『水俣病 空白の病像』(85分)  村上 雅通氏
 水俣病の病像論がデータや文献に全く基づいていない・・・・・・。水俣病関西訴訟に提出された二人の中堅医学者の研究論文がきっかけとなった。番組は水俣病事件をめぐる最大の闇に挑む。

『黄金のベンガル母と子よ』(75分)  鈴木 昭典 氏
 世界の最貧国、バングラデシュ。貧困を女性の問題ととらえて、この国の女性ディレクターたちが世界に放送できるドキュメンタリーを作りたいと協力を呼びかけてきた・・・・・・。

<コメント>
村上 雅通 氏(熊本放送)
鈴木 昭典 氏、平岡 磨紀子 氏(ドキュメンタリー工房)
タスミナ アーメッド 氏(国営バングラデシュテレビ)
アブ トゥエブ アブ アーメッド 氏(ダッカ大学)
上映会写真


● 水俣病は終わっていない
 村上さんは、熊本放送で、「市民たちの水俣病」(’97年)、「春・陽だまりの町」(’99年・ドラマ)、「記者たちの水俣病」(’00年)と水俣病をテーマに制作を続け、今回の企画は、医師たちに視線を向けたものでした。村上さんは、最初は医学論文が全く理解できなかったことなど取材の苦労を語ってくれましたが、「水俣病はまだ終わっていない」として、取り組み続けるその熱い思いは確実に伝わりました。

● バングラデシュ―初めて紹介された衝撃の映像
 鈴木さんたちの作品はまさに国際共同制作ドキュメンタリーゆえに撮れたかずかずの場面に、会場の目がうばわれました。顔に硫酸をかけられた女性の衝撃の映像は、日本で初めて紹介されたものです。この作品のプロデューサーをつとめたバングラデシュテレビのタスミナ アーメッドさんは、この事件が私の国のすべてだとは思わないで欲しいと強調していましたが、ひとつの“アジアの現実”が、参加者の脳裡に強く刻まれました。

 

個人情報保護に関する基本方針