● 水俣病は終わっていない
村上さんは、熊本放送で、「市民たちの水俣病」(’97年)、「春・陽だまりの町」(’99年・ドラマ)、「記者たちの水俣病」(’00年)と水俣病をテーマに制作を続け、今回の企画は、医師たちに視線を向けたものでした。村上さんは、最初は医学論文が全く理解できなかったことなど取材の苦労を語ってくれましたが、「水俣病はまだ終わっていない」として、取り組み続けるその熱い思いは確実に伝わりました。
● バングラデシュ―初めて紹介された衝撃の映像
鈴木さんたちの作品はまさに国際共同制作ドキュメンタリーゆえに撮れたかずかずの場面に、会場の目がうばわれました。顔に硫酸をかけられた女性の衝撃の映像は、日本で初めて紹介されたものです。この作品のプロデューサーをつとめたバングラデシュテレビのタスミナ アーメッドさんは、この事件が私の国のすべてだとは思わないで欲しいと強調していましたが、ひとつの“アジアの現実”が、参加者の脳裡に強く刻まれました。
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