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ABU子供テレビ番組素材交換会議・ワークショップ
アジア太平洋放送連合(ABU)番組局長 江口 三朗

放送文化基金に支えられながら、素材交換会議は今年、12年目を迎えます。アジア太平洋地域の二十数カ国のテレビ局のディレクター達が自慢の素材を持ち寄り、それらを見ながら議論を交わし互いに交換し合います。毎回、交換件数は900件にも上ります。

去年7月、マレーシアのクアラルンプールで行われた会議には、40人以上のディレクターが参加しました。この会議は長期的視野に立った研修の意味もあり、毎年、同じ人が継続して出席するよう奨励しています。

昨年の参加者の一人、ブータンTVのケサン・ドルジーさんは、局唯一の子供番組担当者で、しかも、まだ番組制作2年生です。そもそもブータンTVは放送を開始してまだ3年あまりです。局の歴史が浅い上にスタッフ研修制度が無いので、ABUの会議は貴重な研修の場にもなっています。

「会議では、様々なタイプの番組を見ることができた上、多くの異なった視点に出くわし驚きました。子供番組制作の経験の少ない私にとって、見ること聞く事、全てが新鮮で“目から鱗”の得難い経験でした。

交換した素材は、アニメやドラマ、自然もの、ドキュメンタリーと実にバラエティーに富んでおり、私達のマガジン番組の一部としてとても使い易く、番組の中身を一層、豊かにしてくれています。

今、私は人口の4割を占める18歳以下の視聴者を対象にした番組の制作に意欲を燃やしています。数年以内に1時間の本格的ウィークリー番組を立ち上げたいと思っています。そうした番組枠拡大にもABUで交換した素材がとても役に立つと思います。」

参加国は、それぞれ文化、言語、宗教、政治、全てが異なり、様々な障害や問題があることも事実です。しかし、だからこそ新しい視点や手法をお互いに発見し合えるという利点があります。3年前からは、EBU(欧州放送連合)と、そして、今年からは、URTNA(アフリカ放送連合)との素材交換も始めています。

ケサンさんは「私にとって最も重要だと思う点は、素材交換のメリットもさることながら、ABUの活動を通して広くアジア太平洋のディレクター達と知り合い、常に情報を交換できるネットワークができたということです」と言います。

今年は、7月7日から12日まで同じくクアラルンプールで会議が開かれます。ケサンさんは、去年、会議で会得した手法を取り入れて制作した番組を持参するつもりです。

2003年3月掲載

・ 平成13年度「ABUテレビ子ども番組促進プロジェクト」
 (代表者 アジア太平洋放送連合(ABU)番組部長 江口 三朗)
・ 放送文化基金は、同様のABU子ども番組素材交換プロジェクトに、
  平成5年度から9回にわたって助成している。