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「意味解析技術」ってなに?

 現在、“データベース”といわれるものの検索は、キーワードを入力する方法が主流ですが、検索する側の要求が曖昧なときに、自分の欲しい情報を取り出すのはなかなか難しいものです。例えば、“寅さんシリーズで、吉永小百合がマドンナ役で、津和野で再会する、あの映画なんだったけ?”というときに、「寅さん」、「吉永さゆり」、「津和野」のキーワードをインターネットの検索エンジンで検索するとヒット数は0です。ところが、「意味解析技術」を使うと、「寅さんのシリーズで、吉永さゆりがマドンナ役で出演し、津和野で再会するシーンが出てくる映画」という文章を入力するだけで、「男はつらいよ恋やつれ編」のタイトルを瞬時に出すことができるのです。
 
  この技術を生み出したのが意味解析技術応用研究所です。この研究所は、産業総合研究所と共同でMMA(Multi Media Annotation)ソフトウェアを開発し、この世界標準化を目前にしています。MMAは“意味tag”と呼ばれており、文書や画像、音声などに互換性のある意味構造データであるアノテーション(注釈)を付与することで、「意味」に基づいた情報処理を行う新しい技術です。(「意味」に基づいた情報処理とは、たとえば、「私はりんごを読んだ」という文章について、文法的には正しくても、意味的には正しくない、と判別 することです。)  
  放送文化基金が助成援助したのは、この技術の放送への応用のための開発研究で、保存用放送ビデオの映像と音声にこの意味Tagをつけて、容易に検索/編集を可能にするという試みです。
  具体的には、テレビニュースの編集にこの技術を応用すると、映像・音声にシーンの切れ目、カメラの切り替えごとにシーン番号がふられ、番号ごとに意味Tagがつけられ、自分の見たい内容のニュースだけ抜粋して要約できます。また、映像のデータベースにこの技術を使うと、正確なタイトルなどが不明でも、その映像を探し当てることができるのです。
  また、付加価値として、映像に独自の意味Tagをつけることで、現在問題になっているデジタルデータの著作権保護にも役立つ可能性があります。 同研究所では現在この技術の事業化に向けて準備を進めています。

詳細は、意味解析技術応用研究所ホームページへ http://www.sigmatics.co.jp/
2002年10月掲載

平成13年度助成援助
「文化的遺産としての保存用放送ビデオの意味Tag付加ソフトウェアの研究・開発」
(代表研究者 意味解析技術応用研究所 代表取締役社長 吹谷和雄)