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第10回 日韓中テレビ制作者フォーラム 蘇州


 日本・韓国・中国のテレビ制作者・関係者が一堂に会する「日韓中テレビ制作者フォーラム」が今年度は、中国・蘇州で開催された。平成22年10月15日〜19日までの5日間の日程で、参加者約110人が、各国から選ばれた12作品(1か国4作品ずつ)の鑑賞と制作者との質疑応答、優秀作品の選考などを行い、交流や相互認識を深めた。

 10年前にフォーラムの始まった当初、3か国の間には、相対的に番組の制作力や成熟度には差がみられたが、節目の年である10回目の今回は、これまで討議をすることによって共通認識も増え、制作のレベルも各国、同じ水準に近づいているという印象を持った。

 投票の結果、最優秀賞は、現代中国の生活の変化を映し出し、男女のお見合いから結婚までをコミカルに描いた『嫁の素晴らしい時代』(中国・ドラマ)に決まった。、優秀賞は人と人の絆がなくなりつつある現代日本の深刻な問題を扱ったNHKの『無縁社会〜無縁死 3万2千人の衝撃〜』(日本・ドキュメンタリー)と大企業によるリコール隠しを題材にし、企業や社会の矛盾点を浮き彫りにしたWOWOWの『空飛ぶタイヤ』(日本・ドラマ)の2本が選ばれた。その他の全作品に蘇州賞が贈られた。
 今回初めて、バラエティ番組『秘密のケンミンshow』(日本)が出品された。東京発文化が発達して個性がなくなりつつあるが、食をはじめとしてまだ多く残っている地方文化を楽しく紹介する番組である。この番組に関しては、中国、韓国から「面白い、同じような番組を作ってみたい」という声が挙がった。

 途中、韓国からの作品が後半の部分のみ上映されるというトラブルがあり、場内の雰囲気が緊張した場面もあったが、番組のコンテンツ交流が活発化している現在、3か国が多様性を共有し、その上でテレビの可能性を語り合った今回の大会の意義は大きかったと思う。

 なお、来年の第11回大会は、札幌市で開催されることが決定しており、札幌テレビ放送の林健嗣氏が次期開催宣言を行い、盛会の内に終了した。



2010年10月掲載