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「地上デジタル・データ放送の実態とメディア機能の可能性」 |
研究と実務のコラボレーションとなった
報告会 |
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音 好宏 上智大学文学部新聞学科教授 |
第2部のパネルディスカッションでは、「メディアとしてのデジタル・データ放送〜その課題と可能性」と題して、データ放送の実務に関わる方々をパネリストに、第1部での研究報告を踏まえながらその現状と課題について論議を行った。
まず、サンテレビジョン・村上克繁さんと北海道テレビ・吉田元さんから、それぞれが担当するデータ放送のサービス内容とその特色をご紹介いただき、自治体や地域紙、系列メディア・グループとの連携など、データ放送を「繋ぎ」としたサービス展開の可能性について報告があった。次に、IT系ベンチャー企業であるヨーズマーの野口高志さんは、「地域」という視点で、データ放送やケーブルテレビなどのメディア・サービスに技術的支援している立場から、地域活性化のツールとしてメディア・サービスの成功事例を紹介いただくとともに、地域との関わりでデータ放送の有効性を論じた。
その上で、小林宏一先生からは、ハードとソフトの分離、地方分権化といった政策課題との関係のなかで、データ放送を接合装置とした地域内でのメディア連携の可能性について言及した。
また、データ放送は、早くから災害時の情報提供ツールとしての有効性が指摘されているが、フロアからの参加という形で、防災科学技術研究所の天野篤さんが、2007年の新潟県中越沖地震でのデータ放送の活用例をあげながら、災害情報メディアとしてのデータ放送の可能性と課題について報告してもらうことで、広がりのある論議となった。
今回のシンポジウムは、フロアにデータ放送の実務に携わる現業者が多数参加した研究報告会ということもあって、データ放送のメディアとしての社会的機能・可能性といったアカデミックな分析と、直面するビジネス課題への関心とが混在する論議とはなったが、データ放送を真正面から取り上げた論議として、研究者にもメディア事業者にも有用だったのではなかろうか。 |
音 好宏(おと よしひろ)
上智大学文学部新聞学科教授 |
1961年生まれ。90年上智大学大学院文学研究科博士後期課程修了。日本民間放送
連盟研究所勤務。94年上智大学文学部新聞学科専任講師、99年同大学助教授、
2007年同大学教授。00年〜01年には、米コロンビア大学客員研究員も務める。著
書に「放送メディアの現代的展開」、編著に「グローバル・メディア革命」、共
著に「グローバルコミュニケーション論」「送り手のメディアリテラシー」「多
チャンネル化と視聴行動」など。 |
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