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放送文化基金賞の応募方法がWeb申請に変わりました。 |
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第39回 放送文化基金賞 受賞のことば(贈呈式から) |
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【演技賞】 瑛太 「最高の離婚」 |
この度は、素敵な賞をありがとうございます。僕が演じた光生(みつお)という役は、神経質で理屈っぽく、生活のなかで膨大な言葉を吐き続けるという役柄だったのですが、撮影の中盤ぐらいから体調の不調が現れて…、整体師の方に診てもらったら、手や肩や腕の緊張感がありすぎる、骨盤と背骨が歪みきっていると言われ、「あなたは、今なにをやっているんだ?」と聞かれたので、「光生をやっています」と言ったところ、“ぽかん”とされました。撮影時を振り返りそんなことを思い出しました。
今回の受賞は、素晴らしい作品を作り出された脚本家の坂元裕二さん、そしてプロデューサー、スタッフのみなさん、たくさんの刺激を与えてくれた共演者のみなさんのお力があっての受賞だと思います。ありがとうございました。
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【演技賞】 尾野 真千子 「最高の離婚」
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今日は撮影中のため贈呈式の会場に行くことができませんが、本当はとても行きたかったです。演技賞をいただけるのは、なかなかないことなので本当にありがたく思っています。ありがとうございます。これからも自分らしく、いろいろな役を演じ、みなさまのお力を借りてお芝居を続けていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。これからも頑張ります。(ビデオレターより)
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【脚本賞】 古沢 良太 「リーガル・ハイ」 |
現代の日本にメッセージを込めた社会派のドラマであると間違った評価を一部でされているようですが、僕たちはみんなで、ふざけて楽しんで作りました。監督はじめスタッフや出演者のみなさんも面白いものを作ろう、そういう前のめりな気持ちで作ってくれたので、そういうものがドラマのワクワクする楽しさとして、みなさんに評価していただいたならばすごく嬉しいです。脚本賞に関しては、毎クール、大勢の尊敬する先輩や優秀な同業者の作家たちがしのぎを削って、腹の中で嫉妬したり負けるものかと思って書いていると思うので、そういった中でこういう立派な賞をいただけて励みになります。ありがとうございます。 |
【制作賞】 秋田 和典 「よみがえる話芸 節談説教」
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これは、講談や落語などの話芸の原点が「節談説教」にあることをテーマにした番組です。制作にあたり、小沢昭一さん、話芸研究家の関山和夫さんの業績に大いに助けられました。改めて御礼申し上げます。小沢昭一さんが「最高にして最後の説教使」と呼んだ祖父江省念さんの資料が、名古屋の有隣寺に遺されていたということが番組作りのきっかけでした。祖父江省念さんのお孫さんで説教使としても活躍している祖父江佳乃さんをご紹介します。節談説教について少しお話いただきます。 |
祖父江 佳乃
説教使には、「一声、二節、三おとこ」という条件がございます。一番目に声の良いこと、二番目に節回し、言葉の抑揚、そして三番目の“おとこ”というのは、立ち居振る舞い、荘厳、作法のことでございます。この三つを兼ね備えたのが、私の祖父、祖父江省念でございました。祖父が亡くなって、「説教使」という言葉も消えておりましたが、その跡を継がせていただきました。説教使の“使”というのは、御師匠様の“師”とは書きません。あくまでも、阿弥陀様、仏様の使いという字を書きます。声なき声を追いかけて、姿なき姿を追いかける、それが私の役目でございます。その中で、この賞をいただいたことは、「お前のやっていることは間違っていなかったんだよ」と亡き祖父から背中を押していただいたような気がしていることでございます。これからも言葉の力、その力をきちんと伝えること、そして言葉をこぼすその責任を持ってますますの精進でございます。ありがとうございます。 |
【特別賞】 原田 正純 「ETV特集 原田正純 水俣 未来への遺産」 |
本日は、亡き父、原田正純にこのような立派な賞を賜りまして、誠にありがとうございます。この賞は、吉崎さんはじめNHK熊本放送局、NHK福岡放送局のみなさんのご尽力と、献身的な取材の結果だと思っております。
父は、国立大学におりながら国と対峙するという状況でしたので、学内や学会内で厳しい局面に立たされたこともあったと思います。熊大医学部では、ただの一度も講義をするチャンスがありませんでした。でもそのような中、報道関係の方が水俣問題に注目をしてくださって、父を取り上げてくださったおかげで、父は心が折れることなく、励みになっていたのだと思っております。
父もそうでしたが、吉崎さんは最後まで取材対象者の方に寄り添って、実直に真摯に対応してくださりました。父の最後のインタビューは死の6日くらい前で、ある意味、命がけでインタビューに臨みました。吉崎さんも水俣病に出会ってしまったが故に、命を削って取材をされている部分があると思います。引き続き今後のご活躍をお祈りいたしまして受賞のご挨拶にかえさせていただきたいと思います。
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萬野 利恵 |
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