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第33回 放送文化基金賞 受賞のことば
【番組部門】●テレビドキュメンタリー番組  
【本賞】NHKスペシャル 硫黄島玉砕戦〜生還者61年目の証言〜
 「生きて戦うというのはこんなにも辛いことか。早く弾にあたってしまいたい」――元兵士の方の言葉が片時も脳裏から離れませんでした。戦場とはどのようなものだったのか、兵士達はどんな風に戦い、恐怖し、死んでいったのか。一人一人の証言から、想像をはるかに超えた戦争の真実の姿が浮かび上がってきました。硫黄島生還者の方々は、遺族への配慮などから多くを語らずに戦後を生きました。今回、お話し下さったのは「実態を知らずに戦争が語られることがあまりに多い」と昨今の風潮を憂う気持ちが大きかったと言います。番組が評価を頂けたとしたら、こうした生還者の方々の勇気ある思いが伝わったのではと推察します。その思いに本当に応えられたのかと自戒しつつも、改めて御礼を申し上げたいと思います。
NHK 角 英夫

【優秀賞】NHKスペシャル ワーキングプアII 〜努力すれば抜け出せますか〜
 去年7月の“第1弾”の放送後、私たちのもとには予想を遙かに上回る反響が寄せられました。「その声に、責任を持って応えていかなければならない」。私たちは全国各地で、500人を超える方々から話を聞きました。そこで強く感じたのは、ワーキングプアの問題は、病気や親の介護、老いることなど、身近な出来事がきっかけで、誰にでも起こりうるということでした。いずれの方々も、家族のために一生懸命働き、自らの境遇を誰のせいにもしていませんでした。そして「自分たちが出ることで、少しでも何かが変わるなら」と取材に応じてくれました。ありのままの姿をカメラの前にさらけ出す、皆さんの勇気と覚悟があったからこそ、この素晴らしい賞をいただけたのだと思っています。この場を借りてお礼申し上げます。
NHK 春原 雄策

【番組賞】NNNドキュメント‘06 まっすぐに智華子
     〜全盲の少女 母の待つゴールへ〜
 このたびは、大変名誉ある賞を頂きましてありがとうございます。智華子ちゃんご家族と知り合ってもう4年が経ちます。その間、長短含めて数々放送しましたが常に大事にしてきたのは「親子の愛」でした。
 スポ根ものではなく彼女の人間的成長を描いていくことが最大のテーマでした。そのため水泳シーンより家庭や学校での出来事を大事にしてきました。札幌から帯広までは片道4時間半。何度も帯広に通い、日々の生活に密着。番組の中の目隠しご飯や親子喧嘩、涙の登校などはまさに生活に入り込んだからこそ撮影できたものです。
 今では撮影が終わると一緒に宴会?!なんてこともあります。智華子ちゃんの番組はこれからも続きます。テーマは「自立」。程よい距離を保ちつつ彼女を応援していきたいと思っています。
札幌テレビ放送 星野 輝一

【番組賞】KRY報道特別番組 祖国とは 〜ドミニカ移民の50年〜
 「戦後移民の問題は、もう過ぎ去った昔の問題なのか」。
 私たちがドミニカ移民問題の取材を始めて10年。常に立ちはだかったのが「時の壁」でした。移民が祖国日本を提訴することを決断したとき、「お世話になった日本を訴えるのは、本当の気持ちじゃない」と話し、涙したとき、私たちは、繰り返し繰り返し、約束の履行を求め続けた移民たちの行動を思い返し、私たちも諦めずに取材を続けていこうと固く決意しました。
 ドミニカ移民問題7本目の番組が、この「祖国とは」です。移民たちが起こした裁判の判決は「時の壁」に阻まれました。しかし国は、移民たちに謝罪。「過去の問題」は「今の問題」へと、ようやく変わりました。祖国とは何か、国家とは何かを問い続けた移民たち。祖国を想う心は国に届きませんでした。
山口放送 長尾 聡

【番組賞】NHKスペシャル 日中戦争 〜なぜ戦争は拡大したのか〜
 日中戦争、なかでも南京事件は、今なお論議をよんでいる難しいテーマです。私どもは予断を排し、一次資料と証言で徹底して事実を追求していくことを主眼としました。ともすればこの問題は日中2国間だけで考えてしまいがちですが、アメリカ、ドイツ、ロシアも含め国際的な視野で見つめなおそうと考えました。
 実際の取材では、多くの方々にご協力いただきました。90歳を過ぎて戦争の実相を後世に伝えようと証言して下さった元兵士の方々。初公開の蒋介石日記やヒトラーの知られざる軍事援助をご教示下さった研究者。国境を越えて、歴史の真相に迫ろうとする人々の試みが番組に結実しました。
 その結果が、今回の受賞につながったと思います。改めて感謝申し上げます。
NHK 塩田 純