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第32回 放送文化基金賞 受賞のことば
【番組部門】●テレビドキュメンタリー番組  
【本賞】NHKスペシャル「被爆者 命の記録〜放射線と闘う人々の60年〜」
 この番組は、被爆から60年たった今、被爆者の方々が、肉体的に精神的にどんな傷を抱えているかということにこだわった番組です。それだけに、取材する過程で、放送する中で、被爆者の方を余計傷つけてしまうんじゃないか、無用な不安を与えてしまうのじゃないかと、葛藤し、悩みながら制作しました。ただ、そこに一歩踏み出さなければ、原爆の放射線の罪深さを伝えることができないのではないかと思い、このような放送をしました。それだけに、取材に応じてくださった被爆者の方々に、この場を借りて心より御礼申し上げたいと思います。このような名誉ある賞をいただいたことを励みに、これからも被爆者の言葉を少しでも伝えていけたらなと思っております。
NHK 横井秀信

【番組賞】日曜ノンフィクション ある出所者の軌跡
     〜浅草レッサーパンダ事件の深層〜
 僕は普段テレビニュースの現場で仕事をしていますが、この作品は、ある事件に対するテレビニュース報道の仕方に疑問を感じて、個人的な思いで作った、非常に独りよがりな、まだまだ荒削りの作品だと思っています。ですから、この場にいていいのかな、というような思いもありますが、この作品を作ることによって、スタッフ一同で、ドキュメンタリー表現とはいったい何かということを話し合ったり勉強したり言い争ったりしてきました。放送から一年がたちますが、未だそれが続いています。その答えは全くわからない、ますます見えなくなっていますけれども、今日、この素晴らしい賞をいただいたことがとても励みになります。これからも新しいことに挑戦したいと思います。
北海道文化放送 後藤一也

【番組賞】第20回民教協スペシャル戦争を笑え
     〜命ぬ御祝事さびら!沖縄・伝説の芸人ブーテン〜
 この番組は、いろんな方との出会いと、戦後60年というきっかけで生まれた番組ですが、この賞は僕らがもらったのではなく、この番組の主人公でもある小那覇ブーテンさんが受けた賞だと感じています。戦後まもなく、ブーテンさんは、「命ぬ御祝事さびら!〜命のお祝いをしよう」という思いで笑いをふりまきました。その精神は、戦後60年たった今も、直接ブーテンさんを知らない沖縄の人の中にも生き続けていると、取材を通して感じました。この番組で素敵な賞をいただけて、ブーテンさんに少し恩返しができたかなと感じております。
沖縄テレビ放送 山里孫存

【番組賞】NHKスペシャル 沖縄 よみがえる戦場
     〜読谷村2500人が語る地上戦〜
 私は戦後生まれで沖縄出身ではありません。この番組は、この沖縄で、60年前に何があったのかをとことん見つめたいと取材を始めました。ところが、最初のロケで、集団自決で5歳の息子さんを亡くされたおばあさんにインタビューを始めた途端、「戦争は、当たった者、経験した者にしかわからない。だから私は話さない。」とカメラの前で言われ、一瞬で頭が真っ白になりました。その後、知らないことに対し、どう向き合えばいいのか、どうすれば知ることができるのかと、3か月間のロケ中、ずっと葛藤しました。そして、60年前のことではなく、現在彼女が考えていること、今になっても一番近い家族にも戦争体験を話せない、その思いに対してならば、もしかしたら自分も近づけるかもしれない、と考えました。結果として、戦争を体験した人たちが今何を考えているのか、というところに寄り添って番組を制作することになりました。おばあさんが、最後に、「食べ物も着る物もいっぱいあるこの豊かな世をひと目でも見せてやりたかった…。」と語っています。これは自分たちに向けられたメッセージだと受け止め、一放送人として、いつまでも見せたかったとわれるような世の中にできるよう、微力ながらがんばっていきたいと思います。この番組は、読谷村の村史ー編集室の方々が、20年近くをかけ、60年前の戦争体験についてつぶさにまとめたものを土台に取材を進めました。受賞の栄誉は、皆さんのものだと思います。この場を借りて読谷村のみなさんにお礼を申し上げたいと思います。
NHK沖縄放送局 内山拓

【番組賞】大地の選択 〜遺伝子組換え論争〜
 私は、普段、ニュースの現場で記者として仕事をしています。この番組も日々伝えるニュースソースの中から出てきました。食料基地・北海道の放送局として伝え続けていかなければならないテーマの一つが、農業問題だと考えています。私たちは日々、食事をすることで命をつないでいますが、その食卓、命を支える農業が、厳しい現実に直面し、それを解決しようともがいているという事実を、皆さんに知っていただきたいという思いからこの番組を作りました。このような賞を私たち、そして番組は頂戴したわけですが、この厳しい現実というのは今も続いております。この受賞を力に変えまして、大切なことを伝えていく番組作りに精進して参りたいと思います。このような栄誉ある賞をいただきましたことをスタッフを代表してお礼申し上げます。
札幌テレビ放送 佐々木律

【番組賞】NHKスペシャル 立花隆最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える
 今回の番組は、「考えるだけで機械が動く」、ということを知り、その驚きから、これから人間はどうなっていくのかということを見定めたいと、世界中を走り回って取材した番組です。何よりも、評論家の立花隆さんと、一年以上の長きにわたって取材を一緒にさせていただいたことは、個人的にもスタッフに大変大きな経験だったと思います。また、たくさんの研究者の方々、障害をお持ちの方々、ご病気の方々も、この番組に賛同していただき、全てを我々の前に明かしていただいたということは、本当にありがたかったと思います。「人間は今ぎりぎりのところまできている」という立花隆さんの言葉が、今も私の胸に残っていますが、この言葉と、今回の受賞を励みに、今後も番組をつくっていきたいと思います。
NHK 岡田朋敏